七ツ化

暖かい掌の貴方へ
健やかに生きていますか
穏やかな眼差しの貴方へ
笑顔で過ごせていますか
優しいその言葉に
涙拭うその手に
包まれて満たされた　満たされてしまった
貴方の為なら罪を犯し人も殺めよう
貴方は決して望まないだろうけど
貴方を悲しませるものを道連れに旅立とう...

地表の肉を削り取って
地上の肉を肥やし貪り食う
類人猿の超越者
我ら今日も地上を闊歩する
コンクリート並べ積木遊び
罪と罰のカルマで御飯事
ピラミッドの君臨者
我ら今日も歴史を跋扈する
輪廻の回転　倫理の制定
道徳心が愛を騙る...

明けぬ夜は遂に来る
都市とは名ばかりの牢
鉛雲で蓋を閉じて
隔離された箱庭
明日は我が身我先にと
血走る眼の群れ
綺麗でしょう赤化粧
染め上げられた木偶人形
息を殺す仔羊たち
頭垂れる道化師たち...

張り付く足下
伸びきった影が揺れ動く
満身創痍で
一体何処まで行けばいい
沈む夕景に
暮れなずむ街を振り返る
ため息一つ　影一つ
一体何から逃げているんだろう
余命の足音カツンカツン
三途の水面が赤く濁って...

歪な線が体を成す
人の似姿積み上げる
空洞のままの胸から
渇いた風が吹き抜ける
快晴の空が見下ろす
一人ぼっちは立ち尽くす
塞がれないままの穴から
滴り落ちる命の音
真っ直ぐな線が非人を裂く
人に非ずと二等分...