熊乃御堂　礼也

アダバナと　知りながら　募らせる想い
止まらない　終わるはずもない　またひとつ散ってゆく　
流行りの店　眺めては
貴方への想いを　当て嵌める
あの日と同じ　絶え間ない人の波に
貴方　見付けた
震えている　この指の
居場所は名も知らない娘に
崩れる足を　止めることすらできなくて
これは裏切り？...

「おはよう」も　返せない　日々が過ぎ
もう何度も　君の背中見送った
足音が遠ざかり　消えていく
君が　生けた花　またひとつ　落ちていった
季節　廻り　変わった街で
君は　今も　泣いてるままで
届かないの　私の声は
そっと　触れた　ヌクモリはないけれど
届けたいよ　今キミの傍に
色褪せた約束を　抱いて...

モノクロの世界で　決まった色だけで
あてはめられるように生きてる
黒か白か　そんな答えだけ探すの？
見つけて　君だけの色彩を
虹色の空を追い続けて
君が見つけた色　教えてよ　ねぇ
鈍色の雨が　君を打つなら
オレンジ色の私(で)　君の居場所(を)　照らすから
君が持つパレット　少し見つめてみて
どんな...

　夕暮れは影を長く長く伸ばしている。
橙色に染まる空、変色したアスファルト。
君は先を歩いて行ってしまう。
夜になる方へ。早めていく。
追いつけないから右手を伸ばした。
影だけが二人、手を繋ぐ。
わかっているから、呼吸が震えた。...

雨の中に溶けていく
夏の始まりを　貴方と
感じて過ごした　遠い幻
水溜まりの中映してた
弾かれて消えていく
いつかは空に還るのかな
また息を殺して 歩き出す
懐かしい未来を想って夢を見る
届かない空に 祈りを綴れば
君の声が聴こえた気がした...

過ぎた夢　青い空
過去と違う色を探しても
思い描くキャンパスはあの日に彩られて
雲は流れて　私は此処で立ち止まる
変わってないのは　動けない足と
止まったままのこの想い
約束は掌に
陽炎の先に君の幻を見るよ
時が過ぎた指切りを
大切に隠している...