宵宮ルリジサ

冷笑、熱罵に貶してさ　僕のせいにして
同病相憐れんで　誰も彼もが匪ず
ほらまた　そんな態度でさぁ　恥を知らないの？
話があるんだよ　あんたにだっつってんだよ
あぁ、呆れちゃいます　無様に滑稽
腐れた脳味噌　垂れ流してさ
邪念に塗れて膨れたそのはらわたを裂いて
あー汚いなーもー近寄んないでよ　吐瀉物で...

―籠の中　閉ざし、秘めた言葉
誰が殺したその声を
「あぁ…それは自分？」鏡の奥
ひび割れたのはどの欠片―
闇に病んだ心
抉るように突き刺さる
「涙の痕、辛いのだろう？
もういいんだよ」
「そんなこと、何がわかるんだ」
自傷するような自問自答...

あゝ下んない慰みの夜は
意味さえ無い。不誠実に耽る様は
見るも無惨な無礼、戯れがまし。
愛の仕方も知らぬ女（あたし）愛して遊（すさ）び事
もう呆れちゃうな　まぁそんな物さ
其れも御愛嬌！
手探るなら愛より深く
騙し騙せるなら口付けて
愛した数だけ映写機で魅せて　偽りだらけのワンシーン
あゝ、今は此の...

相も変わらずの晴れ模様に
目眩と愁情の一つや　二つ
恋情を鬱（うっ）する暇など無し
或る晴れた日の恋は
明け暮れ　慕ひて居りますのは
何時（いつ）の日の春風に色づく横顔
あゝ　大輪は統べなく散る
果てしなきあの日の期待に想ひ寄せて
夕立のもとで　今宵も待つてます
桜散るが如く忘れ去つても...

「会いたいな」　ポラリスに願いを
唱えた　流れ星ひとつ
叶えて！　この空に映して
歌うんだ　キミに届くように
「超えたいよ」　月夜のその先で
探すよ！　光の雨音
明日には　シルマに会えるね
零れるキミからのメロディー
幾千に煌くとばりを遮って宇宙を目指す
「この地球(ホシ)の彼方から君の元へ届けに行...

黄金色の調に倦んでは灰に満ちた
『ヒトの子等よ！快楽に唄わずや？』
今日も何処かで…
星を溢した仔犬の悲痛な叫びに似た歌
〝動けまい〟と雄雄しく
朝陽は赫（かが）やく！
『ー踊リ躍レ！ 愉絶ノ甘言
無聊 涸ラス悪夢ヨ 牙ヲ剥ケ！
踊リ 燃ヱロ！ 退屈凌ギノ
獣ガ仕掛ケタ争ヰニー』...

嗚呼、初秋　やさぐれた秋湿めりの夜
秋雨に濡れて　独り嗤う
忍ぶ行為に呆れるように
或いは凋んだ秋桐の如し。
ねぇ君を慕うのが罪と嗤うなら
愛しさで死ねば判るでしょうか？
もっとも、其れは悪い御冗談
誰も知らない初恋の秋に…
ぁあぁあ
夜毎の涙は秋雨前線...