銀歯

何したって逃げられないんだ
洗わず洗濯機に溢れたタオル
もうどうにもならないんだ
平然を装ってはヘラヘラ笑って
元気なフリして影で泣いて
世知辛いねそんな世界
今日も渦巻いて洗われてるんだ
いっそ全部流してくれよ
嫌な記憶も全部全部
こびりついた汚れを落としても...

紙を張り詰めたような美しい白い大地に
立っていた
ここがどこだか名前さえ知らない
けれど何故だか覚えている
そこには真っ赤 だが柔らかく滲んだ
ぼやけたものがあった
それは存在を提示しているのか
まだ確証がない新たな生命体なのか
誰にもわからない
昔からあるものがいまここにいないのは...

僕と魚と幻想と
あと何が必要でしょうか
水面に浮かぶ鮮やかなあなたを
見ているだけでそれだけで
この世界は彩るのです
地底に生える苔の美しいステージで舞うあなたを
僕はユメのように感じているのです
いつか終わりがくるってわかっていても
僕は今が幸せなんだ
愛してるんだここにいる...

籠の中で私は生まれた
籠の中で守られながら生きてきた
何一つ許されずにただ言われたことを
繰り返す毎日
自由の旗は気づいたら燃えていて
灰も雨に流されて消えていった
大人たちは俺らに合わせろというけど
それで何人殺したんだ
Lost individuality
体が動かないんだ...

（前奏）
僕らは再生する
この空間の中で
淡い未来を望みながら
僕らは再生する
遠い過去の記憶を
消し去りながら
痛みも悦びも
艶やかな日常に溶けていく
（間奏）...

笑顔でいるから
そう言っても知らんぷり
夢の中では
今日笑っても何もなくて
口角上げて引き攣った頬が
痛くなって泣いたんだ
今日も一人道を行く
明日も一人で宇宙をみる
誰かを抱きしめられるなら
こんな気持ちも無くなっていくのかな...

いない　いない　ぼくはいない
君の映る世界にぼくはいない
何をしても届かない　手を伸ばしても
冷たい感触が残るだけ
今日に限って雨は降らない
地面は乾いている
視界は薄くなっていって
取り残された街に
花の残り香を求めた
孤独と苦痛が身体をよぎる...