「四季はなくなって二季になった。」
目覚まし代わりのラジオが告げている。
忌々しい限りさ。
誰もがお前を好きな訳なんか無いだろう
とか、知るはずもないよな。

作られた風景、
青春の理想は
あぶれたヨワモノの姿を陰に追いやった。
陽は当たらないのに
多湿高温の気候が
息苦しさを増させていくのさ。

「いつからこうなったんだっけな?」
澄んだ青は誰のものでもなかったろう。
足の遅さとかを思い知って
黒く濁って、またくずっていく。

夕立が今、街を包んで
浮かれたくもの子を散らしている。
けど雨が上がっても晴れないまま。
見えもしない海を眺めていた。

「何も無くたって」
そう言い切れる程に
此処では強くはないから
願いを飾った。
君に見られたとき
狼狽えて黙っちゃうこと、
他の人らと違う理由。
でも、知る由も無いよね。

綺麗な想像を描いてた、
物語のような毎日を。
けど君はいない。自分もまた、
君の中にはいないらしい。

夕立は今日降らないのだ、と
喜ぶ声は囃子に混ざっていく。
通りの端に立ち、仰ぐ天に
暮れの朱と藍だけがにじんでいく。

後の祭りの祭りの後に
火を灯して。
済んだ想いよ、
火花になって咲いていて。
数秒が過ぎたら
忘れているように。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

夕立つ頃

ボカロック投稿祭2024&知声2周年コンテスト応募作品

閲覧数:23

投稿日:2024/06/26 01:01:58

文字数:533文字

カテゴリ:歌詞

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