こんばんわございます鶏です。歌詞なんて読む人によって色々な解釈があって良いと思うのですが、一応こういう感じで書いてみたよという事でアレンジングのイメージ固めに使って頂ければ幸いです。一応二部構成で意訳・コメンタリーって感じで進めます。
【超意訳(超よくわからない意訳)】
君を失った寂しさは癒えないけれど
気持ちは凄く落ち着いている気がする
もう前に進んでいかなくちゃいけないね
この先どうなるかなんてわからないけど
僕の帰る場所はきっと此処だけだから
いつかまた帰ってくるよ
その日まで少しだけお別れだね
不安が無いわけじゃないけれど
君の笑顔だけは何時までだって覚えているから
握り締めた掌の温もりも
頬を伝った涙の感触だって忘れやしないよ
君が握り返してきた手は
涙で少し霞んで見えたな
もうすぐまた春が来るね
窓の外で木漏れ日が揺れている
あの頃も僕らは二人こうして寝転がって
僕は隣で眠る君の横顔を見ていたんだ
君が旅立ってしまった日に
僕は何も知らないままで
いつもと同じ駅のホームで君の姿を探していた
君が好きだった歌を聞いてる
君と過ごした日々が思い出に変わってしまわないように
何度もそれを繰り返していた
再生ボタンを押すたびに
君と過ごした記憶が薄れていってしまう気がした
僕を形作るのは君と過ごした思い出だけで良かったから
それ以外のものなんて何もいらなかったから
これ以上時間が進まなくていいように
君と過ごした日々の事だけを思っていた
この世界に永遠なんてものがあるのだとしたら
どうして僕は今も君の側にいられないんだろう
騒がしい町の中から二人で抜け出して
こうして砂利の上に仰向けになって
星空を見上げながらはしゃぎあっていたね
君はきっとあの空に輝く織姫で
僕はその隣を流れていく流れ星なんだ
古いラブストーリーみたいに君と恋をして
そのまま僕が君の彦星になれたら良かったのにな
こうしていると今でも君が隣にいる気がするんだ
それが都合の良い夢なのだとしたらもう目覚めなくても良いんだ
優しくはにかんだ君の横顔と
繋いだ掌から伝わる君の温もりがあるなら
僕はもうそれ以上何もいらないから
ああ、なんだ
そうやっていつまでも君との思い出にすがりつくだけで
いつまでも受け入れようともしないで
楽しかったはずの君との思い出を
悲しい記憶に変えてしまっているのは僕自身じゃないか
僕はただ君と過ごした時間を忘れたくなかっただけなのに
僕はもう君との思い出さえ失ってしまったんだ
町の景色も少しずつ変わってきたよ
君と歩いた砂利道も今じゃ綺麗に舗装されてる
いつまでも変わらずにいられるものなんて無いって知っていたのに
それを認めたくないだけなんだ君をこれ以上失いたくないだけだったのに
遷り変わっていく季節も 姿を変えていく町の景色も
君だけを置き去りにして変わっていってしまうんだ
それならいっそ何もかも無くなってしまえばいいのに
君との思い出にすがりつく事しかできない僕ならば
いっそこのまま消え去ってしまえればいいのに
そんな風に何時までも前に進もうとしない弱い僕を見たら
君はきっと悲しむだろうな
分かってるんだ このままじゃ駄目なんだって事ぐらい
少しずつでも受け入れて前に進んでいかなきゃいけないんだって
ああ、なんでだろう
あの日のままの君の笑顔を思い出したんだ
その笑顔に全て許されてしまう気がしたんだ
銀河鉄道の幻が見える
僕たちが過ごした思い出の全てを全部詰め込んで
空の彼方に走っていくんだ
僕の弱さも醜さも愛しさも全部詰め込んで
夜の空を越えて天の川を登っていって
ああ、全部を君に届けてくれれば良いな
【コメンタリー】
タイトル→イメージベースは伝説の生涯童貞宮沢賢治の小説「銀河鉄道の夜」になります。銀河鉄道の夜も友人の死というのが一つの重要なキーになっていますね。そう考えると銀河鉄道というのは冥府をこの世を繋げる架け橋という少し怖いニュアンスもあります。最後に鳴らした鐘は銀河鉄道の夜のカムパネルラからの引用というか借用というかそんな感じになります。
1A→すでに提示されていた部分でしたので旅立ち・笑顔というキーワードをどう解釈するべきかというのがこの歌詞を書く上で最も重要なテーマでした。旅立つのは主人公ですが、「君」を大切に思いながらも離れていかなければならない状況や必然という状況の筋立てをするに当たって死別というのは安直な気もしましたが、結果的に綺麗に料理できたんじゃないかと思います。旅立ちというのはつまり、「君」を失った後に「君」と過ごした日々にすがりつくだけの自分からの訣別という解釈を用いています。結構わかりにくいテーマかもしれません。
1B→長い編成の曲になるのでここは情景描写に徹しました。そのため体言止めが多めの仕様になっています。情景描写というのはつまり、「二人で過ごした日々」そのものの原風景ですね。幸せに過ごした記憶そのものという解釈になっています。意識したのは「現在と過去の交錯」です。
2A→曲の雰囲気の変化に合わせてガラリと世界観を日常に落とすのを目論みました。1A1Bとふわふわと上げて上げて2A冒頭で落とすような感じにしたかったので極力日常的な風景の描写をしています。2Aの終わりのほうは2Bの盛り上がりに向けてまた少し幻想分を盛り込んでます。
2C→曲の背骨たるテーマである「変化に対する拒否」を少しずつほのめかしていきます。永遠に憧れながらもそうなれなかった自分に対する葛藤シーンで少し暗雲を出す感じです。
3B→タイトルテーマである「銀河鉄道」を想起させる天体観測をシーンとして用いました。普遍的な空の星の輝きと、変化し続ける地上で生きていかなければならない自分という対比になっています。「君」はこれ以上変化する事の無い「織姫」であり、「僕」はそんな織姫の側にいたはずなのに今では遠く離れてしまった「流れ星」でしかないと自分を皮肉っています。ずっと織姫の側にいられる彦星にはなれなかったのだという悔恨のシーンでもあります。
3D→明けない夜は無いなんていう言葉をよく聞きますが、ずっと夜が明けないままいて欲しいと思う人間だっているわけです。なんで寝ると朝が来るんでしょう。朝になったら仕事にいかなきゃいけないじゃないですか。僕はずっと寝ていたいだけなのに(黙れ)
4E→ここで主人公は「君との思い出」を弱い自分の依存の対象としてしか扱っていなかった事に気がついてしまうわけです。フィルムは記憶の象徴。映画みたいな恋の象徴でもあります。
4F→中盤で一番の盛り上がりを見せるここでは感情をただひたすら前面に押し出す感じにしてあります。「君」を置き去りにして過ぎていく時間や「君」を置き去りにして変わっていく風景に対して全てを否定したいという感情を走らせながら、楽しかったはずの「君との思い出」を、すがりつくだけの依存の対象としか受け入れられなくなってしまった自分自身に対する絶望。色んな負の感情を最高潮に高める感じです。
5G→自分自身で依存の対象として貶めてしまった思い出→フィルムの灰
5B→救済のシーンになります。錆付いて止まってしまった車輪→僕の時間がゆっくりと動き出していく。救済の象徴はやはり1Aで提示された「君の笑顔」こそがふさわしいですね。自分で汚しきってしまった思い出の中で唯一つだけ泥に塗れる事も無く灰に塗れる事も無く色あせなかった「君の笑顔の記憶」。
5H→それと同時に思い出の全てが色を取り戻していく感じの描写です。君のいなくなってしまった世界を受け入れ、「君との思い出」をすがりつくだけの呪縛から解き放っていくシーンという感じですね。銀河鉄道というのはあくまで比喩ですが、もしかすればそれは天の川を登っていって織姫に届く彦星になるのかもしれません。
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