日暮れ時、木があった
緑色の苔茂る、小さな神社の中、その木はあった
木のそばに人がいた 白髪の老人だった
人は祠の脇に腰を下ろしていた

何をしているのだろうか
何も、していないのだろうか
何を思っているのだろうか
話しかける勇気はなかった
遠巻きに眺め、考えていた


薄暮の中、猫がいた
小さな神社の中、おそらく黒茶色の、その猫はいた
猫のそばに人はいた 
やがて人は立ち上がった 人はおそらく帰る準備を始めた

飼い猫なんだろうか
散歩を、していたのだろうか
ただの休憩だったのだろうか
かすかな落胆を覚えた
僕も去ろうと、考えていた


けれども人は猫の下に おそらくお皿を置いていた
そのまま行った 行ってしまった

境内に入った 猫は去った しゃがんでお皿を覗いてみた

せせらぎ聴こえる 宵の帰り道

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

日暮れ、宵

3本目のうたです。

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投稿日:2020/04/17 12:45:50

文字数:356文字

カテゴリ:歌詞

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