『ボーイスルーガール』

蝉時雨聞こえる昼下がり
今日もまたペダルを踏み込んだ
並木通りへ続く坂道
登る先にはあの子が立っている

日に焼けた小麦色の肌に
肩ほどの長さの黒い髪
麦わら帽子をかぶり 風に
吹かれてなびくそれを見ていた
名前も知らぬ 顔さえ見えぬ
そんなものはもうどうでもいいもの

日差しをはじいて
風にたなびかれ
幼い曲線をなぞっていく
あなたの真っ白なワンピース
陽炎の中揺れて


油照りの夏の昼下がり
なんとなくペダルを踏み込んだ
行くあてなんてどこにもないし
行きたいとこも別に無いから
重くなる足 乱れる呼吸
辛いのならば投げ出せばいい
不思議と足は止まらないまま
その先になにがあるか知りたくて

滲み出る汗 視界を邪魔する
心臓が苦しくもがいてる
それでも踏む足は止まらない
坂の上の君まで
思うままに行く
声をかけてみよう
何を話そうか


浮かんでは消え 消えては浮かぶ
何よりもその 君よりもその
風にたなびく ひらひら揺れる
それが焼き付いたままで

頭を垂れて 影がゆらゆら
揺れる体は 止まらないまま
ひたすら登る 聞こえる蝉の
声が急かしてるようで

そして 登りきる
そして目が合った
日差しでよくは見えないけれども
あなたの真っ白なワンピース
それだけははっきり見えてる
またペダルを踏む
距離は近くなる
胸の痛みはたぶんそのせいだ
忘れられない言葉を言うよ
すれ違い様に
「今日も暑くなりそうですね。」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

「ボーイスルーガール」

「ボーイスルーガール」の歌詞です。

閲覧数:108

投稿日:2013/12/29 23:42:54

文字数:657文字

カテゴリ:歌詞

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