私達は二人で村を飛び出して、街で暮らす事にした。
街には他の国から来ている人も居て、私のような白い髪でも皆普通に接してくれた。
私達の仕事は裕福な商人の婦人の使用人。
生きる為に選んだ、私達の仕事。
不慣れな生活や仕事でも一緒なら大丈夫。
色々な情報も手に入って、新鮮な暮らしだった。
ある日屋敷で見かけた青い髪の男性。
「ねえハク、あの人って、この国と同盟を結んでいる国の王じゃない?」
「そうなの?」
「でもどうしてこの屋敷に?」
「さあ・・・?」
王子は私達の方を見ると、ニッコリと笑った。
あいつとの出会いが全てを狂わせた。
海の向こうの国の王は私達と同盟を結んでいる。
だが同時にこの国にとって敵国の国とも同盟を結んでいるらしい。
王はミクに一目惚れをした。
そして隣の国の王女の求婚を拒んだのだった。
隣の国は1代目王女が早くに死に、まだ14歳の子供が政治をしている。
国は戦火に包まれた
嫉妬に狂った王女が家臣に出した命令。
「緑の髪の女は全て 殺してしまいなさい」
他の国から来た人は逃げ出した。
皆、皆居なくなってしまった。
白い髪の私以外。
今ほどこの白い髪を恨んだ事はない。
私が緑色の髪だったら身代わりになれたのに。
ミクの代わりに私が死ねば良かったのに。
どうして・・・どうして・・・・・!
「生きていてごめんなさい」
今の私に相応しい言葉でした。
人に何かを与えて貰った事は数多くとも
私は人に何かを与える事は出来ませんでした。
無力で、ちっぽけな存在でした。
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