「よおし!これで完成だ!」

嬉しそうに、そう言った、男は、
「よし。起動!」
と言って、機械をいじった。
すると、数秒、眩しい光を放った後、
無表情の少年と、少女が、目を覚ましたのだった。

彼らの名は、
少年が、リツ。少女がリイカだった。

しっかり、名もあり、人間そのものの姿をしていたが、ひとつだけ違うことがあった。
それは───
ロボットであること。感情が、無いことだった。

それでも、
「ココロと言う、プログラムは、作ることが、できなかった。しかし・・・」
男はそういいながら、自分の胸に、手を当てた。
「私の、この手で、あの子達に、“ココロ”を教えてあげるのだ・・・」
そういって、二人に目を向ける。
そのうちに、リイカが、男に気づく。
「アナタ、ダレ?ドウシタノ?ワタシタチ、ダレ?ドコカラキタノ?」
と、言った。リツは、そう言っているリイカの横で、ただ、無表情で、突っ立っていた。まるで、興味が無い様だった。それでも、すかさず男は答えた。
「私は、君たちを作った者だ。君たちは、それぞれ、リツとリイカ。機械の最先端のうちの最先端から来たんだよ」
すると、リツが、ようやく口を開いた。
「オレハ、ワカラナイドウシテ、ココニイルノカ。オレハ、コレカラ、リイカトスゴセルノ?」
男は、俯いた。これで、しっかり二人と過ごしていられるだろうか・・・
リツは、きっと、リイカが、強い存在である。生み親の、私よりも、遥かに上回る大きな存在だ。
と、男は思った。そして、リイカに言った。
「リイカ。君と、リツは、きっとこれから、ずっと一緒に過ごす事になるだろう。だから、私よりも、大切な存在だから・・・リツと一緒に、どんなときでも、乗り越えてほしい・・・」
男は、言い切ると、リイカの瞳を見た。リイカは、理解したような、していないような、微妙な顔をして、男に答えた。
「ワカリマシタ。キット、リツトイッショニ、アナタガイナクテモ、イキテイケルヨウニナリマス」
男は、感心したような顔をして、呟いた。きっと、リツは、リイカが居てくれれば、何も怖くないんだろうと。そして、自分も、親の顔を思い出した。

そして、リイカとリツに、自分から、教えようと思っていた“ココロ”は、教えなくても、自然と身について行くだろうと、感じた。男は、自分の命が、そう長くないことは、元から分かっていた。
でも、ただただ、毎日が孤独だった。だから、こうして、機械の人間を作った。それでも、自分が死んだ後のことを考え、これも、一人にしてはならない。と考えた男は、二人分を作ったのだ。


─翌日

「オウイ、アサ。アサダカラ、リツ、オキナサイ。オトウサンハ、モウオキテイルヨ。アサゴハンモ、ヨウイシタヨ」
リイカの優しい声が、リツの耳に入った。リツは、すぐに起きた。
「ソウ?ダッタラ、スグニイク。アサゴハン、ナニ?」
「トーストダヨ。アト、ヨーグルトモアルヨ。フルーツヨーグルト。オイシイヨ?」
リイカは、すぐに跳ね起きたリツを連れて、リビングへ向かった。
リビングでは、食事を終えた、男が、リツを待っていた。
「リツ、おはよう」
軽く挨拶をする。リツも、
「オハヨウゴザイマス。オトウサン」
と言った。何故か分からないが、二人は、男のことを、“オトウサン”と呼んでいた。
そして、それから、幾月幾日みんなで喋るうちに、だんだん、二人も、堅くなくなった。
笑顔になる様になった。時には、ゲームで、負けて悔しそうな顔もした。
そんな風に仲良くして、どんどん仲が良くなってきた頃・・・・
男はとある大きな病気を抱えた・・・・・・











ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

ロボット Ⅰ

~後書~
いや。申し訳御座いません;;
こんなにつまらないものを・・・・
何か、妙に力入っちゃって・・・
こういうの、好きなんですよねw

リンちゃんの曲、『ココロ』を元に、作ってみました

リイカと、リツ、実は、実際に絵を書いてみたんですが・・・
まあ、ブログで、公開して見せます!((宣伝?
人気があれば、Ⅱも出すつもりです♪
ご支援、よろしくお願いします!!

閲覧数:141

投稿日:2012/08/04 19:27:27

文字数:1,513文字

カテゴリ:小説

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