作品一覧
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「おはようござます!」
元気に、一人目の経過観察者の部屋に乗り込んだミクさん。
「おはようミクさん。よく来たね」
今日も楽しそうで元気になるよ、と言われて嬉しくなりました。
これまで。お局さんの近くでただ歌うとき……
褒められても、「まぁ、外には出れないしな」や
「お金出すまでじゃないわね」が必ずつ...壊れた世界5
mikAijiyoshidayo
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【壊れた世界4】
「うーん、今日も良い天気だね……」
ミクさんはのんびりと空を見上げて思いました。
辺りはすっかり春が近づいていて、あちこちの木々も芽吹き始めています。
それを横目に、訪問するルートを想定して歩きました。
「思えばこれまで、いろんな事があったなぁ」
思い出すのはいつも歌と共に、皆と過...【小説】壊れた世界。4
mikAijiyoshidayo
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最終章
19年が経った今、季節は桜が満開になり始めている季節になって来ていた。
私はぼんやりとベランダで月を見上げながら煙草を吸っていた、懐かしいなと思いに耽りながら、煙草でゆっくりと呼吸するかの様に煙草の煙を吸っては吐き出すといった行動を只、繰り返していた。
暖かさえ覚える空気感の中、満...深淵の中の蝶
sizuki-kurone522
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第三十二章
彼は、ゆっくりと酒から白湯へと飲むものを移行し、酔いが醒めて来たかの様に私の話に真剣に向き合ってくれていた。少しづつ彼はいつもの彼を取り戻しつつある中、…「そうだったんすね…」と神妙に考えながら言葉を選ぶかのようにゆっくりと口を開いた。「…なんか、すんません…俺…盛大に勘違...深淵の中の蝶
sizuki-kurone522
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第三十一章
何だかいつもと違う悠さんに私は戸惑ったが、お酒を飲みたくなる日もあるのかなと思いながら、フラフラしている悠さんに、「大丈夫?」と声を掛け、「だーいじょうぶっすー」と少しばかり陽気にも不安定にも見えるような彼に、…「ここ、座ってて」と声を掛けた。…「由佳里さぁん、俺明日休みなんで...深淵の中の蝶
sizuki-kurone522
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第三十章
…あ、由佳里さんだ…俺は由佳里さんを見付け、声を掛けようと思ったが、なんだか携帯を見ている様に感じた俺は由佳里さんを見つめる事しか出来ずにいた。由佳里さんは、とても年期のありそうな喫茶店へと入って行った。…誰かと待ち合わせだろうか…俺は何故か彼女から目が離せなくなって...深淵の中の蝶
sizuki-kurone522
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【壊れた世界 。2】
居場所も、あらゆるすべてのコンテストをも「初音ミクに似ている」と追い出されたミクさんは悩みました。自分の本質を変える事は出来ないし、それに依るような仕事は禁止されているとすれば、それ以外の事を向いているかどうかではなくやらなくてはいけない。
少しでも昔の自分から離れた事をする...【小説】壊れた世界 。2
mikAijiyoshidayo
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第二十九章
いつも通りに起きた私は、洗顔をし薬を飲みまだ起きてこない頭のまま煙草へと火を点けた。ベランダへと出た私は、ベランダから見える紅葉し始めた木々達を眺めていた。…「そうだ、今日確か蓮兄ぃとご飯だったっけ」とぼんやりと煙を吐き出した。少しづつ冷たくなる空気感に何故かホッとしてしまう。
...深淵の中の蝶
sizuki-kurone522
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第二十八章
お寿司を二人して食べる日が来ようとは思ってもいなかった私に、彼は「由佳里さんと寿司食えるとは思ってなかったっす」と楽しそうに笑う彼の笑顔がとても愛しく思えた。…「私もそう思ってたよ」なんとも優しい時間が流れていく感覚。…「食いましょう!寿司!」…「そうだね、食べようか、お茶入れて...深淵の中の蝶
sizuki-kurone522
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第二十七章
帰宅してからの私は楽しい気持ちを抑えられずに、鼻歌まで歌ってしまっていた。…今日は本当に楽しかった。心躍りながらも悠さんの帰りを待ち侘び今日は何を食べるんだっけと考えていた。兎に角楽しかった私は食事の事等すっかりと忘れてしまったかの様にドレッサー越しの私自身を見つめにやけてし...深淵の中の蝶
sizuki-kurone522
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第二十六章
カラーし始めて、40程だろうか…私は今迄の私ではなく大成功のイメチェンに驚いていた。最後に微調整のカットをし始めた悠さんは、「由佳里さん、良い感じに大イメチェンしましたね、すげー似合ってます!」…綺麗な透明感のあるパープルカラーに私はなんだかソワソワしたが、彼の美的センスに驚き...深淵の中の蝶
sizuki-kurone522
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その時の証言と言うのも残っていて、資料によると大体こんな感じなのでした。
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「そもそも、納得いかないのよ。仕事の様子をみて不愛想だとか理由付けて調整しておいてくれれば良かったってのに!」
ある朝、会社のお局――
馬瀬生 理(まぜなま おさむ)さんが怒り出し言いました。
彼女...【小説】壊れた世界 。「あんたが金出してくれるの!?」
mikAijiyoshidayo
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第二十五章
シャンプーも終わり、カットに入って行く。「由佳里さんの髪をカット出来るのって何か嬉しいっす!」と楽しそうに笑う彼の笑顔が私の心を安堵感へと導いてくれる。「そう?私も何だか嬉しいよ」とお互いに笑い合った。何気ない会話から漏れる「由佳里さん」と名前で呼んで貰える事が私は嬉しかった。...深淵の中の蝶
sizuki-kurone522
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A poem for Miku V4 English and Miku V4 Chinese to thank them for the song Choco Miku
Two Different Sides of Miku
Miku English… Miku Chinese…Thank you ...Two Different Sides of Miku
Miku and Mikune
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第二十四章
予約時間の5分程前に私は美容室へで待っていようと思い、車を降り初めての美容室へと向かった。店内はとても清潔感のある雰囲気の良い感じがしていた。「いらっしゃいませ」そう出迎えてくれた女性のスタッフさんに、「あ、こんにちは…あの予約している宮澤です」「ご予約頂いております、宮澤...深淵の中の蝶
sizuki-kurone522
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第二十三章
日々の時間はあっという間に過ぎて行く中、病院へと行く日になっていた。
今日は火曜日、「悠さんにカットをお願いした日だ…」と何故だか心が躍る。
…どんな髪型にして貰おうか、なんて事を考えながら自分に似合いそうな髪型を探す。随分と長くなってしまった髪の毛を触りながら、「…いっそ、ボ...深淵の中の蝶
sizuki-kurone522
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第二十二章
部屋へと戻った私は…悠さんとの夕食の時間が当たり前な日常になっている、と感じつつ安心感さえ覚え始めていた。…なんでこんなに心地が良いんだろう…不思議に思いながら、私は少しばかりぼーっとしながら煙草へと火を点けていた。…まぁ、好きだから…だよねと思いを馳せながら煙草の煙をゆっくり...深淵の中の蝶
sizuki-kurone522
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第二十一章
すっかりと遅くなってしまってしまった。抱き締められる時間に酔いしれ過ぎてしまったかもしれないと思い、「…悠さん、お茶碗洗わなきゃ…すっかりこんな時間だよ」と私は時計を指差し、23時50分辺りの時刻に驚きを隠せなかった。「…あ、すげー引き留めちゃいましたね、すんません…」…「そん...深淵の中の蝶
sizuki-kurone522
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第二十章
彼の作ってくれた鯖の味噌煮に二人して手を合わせ、「頂きます」と言い合い、一口私は頬張った。丁度良い味加減に「すっごい美味しい」と私は彼へと伝えた。…「そうっすか?はは、良かったっす」…「凄いよね、ほんと和食作れる男性なんてそうそう居ないんじゃないかな?」…「そうっすかね?」…不思議...深淵の中の蝶
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第十九章
お互いの部屋を交互に行き来し、お互いに抱き締めあう日々が1か月は続いていた。彼も職場には復帰し、すっかりと桜も満開の時期を迎え、温かな日差しも増えて来た。そんな頃、私の髪の毛も随分と伸びてきた為に、悠さんの働く美容室にでも行ってみようかな、とふと思い始めていた。何処で働いているの...深淵の中の蝶
sizuki-kurone522
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第十八章
私は気が付くと、彼の髪を触っていた。「…?どうしたんすか?」…「あ、ごめんね…なんかつい撫でたくなっちゃった…」背後にいる彼の柔らかくもふんわりとした髪の毛を触りながら、そう答えた。「…ごめんね、少し髪の毛触らせて…」そう伝えると、「分かりました」…「ありがとう」…「いえ、このくら...深淵の中の蝶
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第十七章
一頻り、彼との会話と煙草を楽しんだ後に、「お腹空いてきちゃったね…」…「そうっすね、一緒に鍋作りましょうか」…「そうだね」…「白菜と豚バラのミルフィーユ鍋っす」…「良いね、美味しそう」…「俺はなにをしたら良いっすか?」…「んーそうだなぁ、私が食材切っていくから、そこの鍋に敷き詰...深淵の中の蝶
sizuki-kurone522
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第十六章
…?誰だろう、こんな時間に…不思議に思いながら「はい」とインターホンへと出る。モニターには悠さんが映っていた。「…あ、こんにちは、悠です」…「あっ、はい、今出ますね」そう彼へと伝えた後、玄関を開ける。「…こんにちは、すんません、来るの早かったっすよね…」…「あ、いえいえ、そろそろ私...深淵の中の蝶
sizuki-kurone522
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──運命の歯車のなかで、私たちは出会った。
私たちの出会いは
運命だった。
まだ、あなたの感触が染み付いている。
あの日、もしスーパーに行ってなかったら?
あの日、もし、あなたに会わなかったら。
そんな気持ちが胸を締め付ける……
あなたが私に愛することを教えてくれた。
夜、にぼしを食べた。
その瞬間...【小説】運命の歯車1
mikAijiyoshidayo
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第十五章
私が目覚めたのは、すっかりと昼過ぎになっていた。ぼんやりとした頭の中で思い浮かぶのは悠さんの泣き顔…。相当辛いよね、なんて朧気に頭の中で思い出す情景。ベッドから起き上がり、ふらふらとキッチンへと向かい薬を飲んだ。…まだボーッとしている頭の中で…煙草吸おうと煙草へと手を伸ばした。...深淵の中の蝶
sizuki-kurone522
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深淵の中の蝶
…俺、なんで由佳里さんを抱き締めちまったのかな…一人になった俺はぼんやりと考えに耽りながら、煙草へと手が伸びる。恋人の写真の前に座り、彼女の美しい笑顔を見つめながら、煙を吐き出す。「お前の香りが、由佳里さんからして…」言い訳になりそうだな、と思い言葉を紡ぐのを止めてしまった。「…ごめん...深淵の中の蝶
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第十三章
部屋へと戻った私は明日がある事に安堵感を抱きつつも、心の高鳴りを鎮めようと必死になっていた。…私きっと悠さんが好きなのかも知れないという動揺が止まらなかった。冷静になろう、そう思い煙草へと火を点けた。深く深く煙を吸い込み深呼吸をする様にゆっくりと呼吸を繰り返す。…落ち着け、私…自...深淵の中の蝶
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第十二章
思う存分泣いた様子の彼は、「…少し、煙草吸って良いすか?」…「うん」そう答えた私は、彼の行動や仕草を観察している自分に気付いた。「ごめんね?顔勝手に触ったりして…」そう伝えると、彼は優しい笑顔で「いえ…全然っす」と答えてくれた。…「今日はもうそろそろ帰った方が良いかな…?」…「え...深淵の中の蝶
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第十一章
彼好みの味に仕上がった卵焼きはあっという間に二人して完食していた。
私はなんだか、彼に違和感を感じていたことを聞いてみる事にした。「悠さん…少し無理して笑ってない…?」…「あー…流石と言うか…由佳里さんには見通されちゃってますね…はは」…「いや、なんだかそんな風に感じちゃって…」…...深淵の中の蝶
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第十章
部屋の中はとても柔らかい光で包まれていた。…今日はどんな風に過ごしたのだろう…ふとそんな事が頭を過った私に対し、彼は「…人の体温って良いっすね…」彼はそんな言葉を呟いていた。「そうですね…あったかいですよね、人肌って言うんでしょうか…」…「突然抱き締めちゃって…すんませんでした...深淵の中の蝶
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