「はじめまして!ミナトの姉のサクラです!来てくれてありがとね、カエデちゃん!」
サクラさんもミナトくんと同じでとても明るくて笑顔の素敵な女性だった。
3人はリビングでお菓子を食べながら話す。
「ミナト〜、カエデちゃんと女子トークしたいから少しだけカエデちゃん借りてもいい?」
「・・俺は今から本気の掃除をする・・!」
サクラの部屋に案内される。
「あの・・、お姉さん・・」
「あら〜!お姉ちゃんでもいいのよぉ〜?私ずーっと姉妹っていいなぁって思ってたの!」
サクラが微笑む。
「呼び方はカエデちゃんに任せるわ!どしたの〜?悩みごとかな?」
「その・・、ミナトくんって好きな色とか、好きな女性の服装とかって分かりますか・・?」
カエデが真っ赤な顔になる。
するとサクラが突然、真面目な表情になる。
「え〜っとねぇ、ミナトの好きな色かぁ〜・・、うーんとねぇ・・」
数秒の沈黙が流れる。
「ミナトが小さい時にね、私が黒いワンピースを着たの。そしたらね・・」

「わぁ!今日のおねえちゃんの洋服かわいいね!おれ大きくなったらおよめさんに結婚式で黒いウエディングドレスきてっておねがいする!!」

「なーんて言ってたわね〜!ミナトってね、私服は黒が多いのよ!だから黒は好きな色だとは思うのよ!だけど今も黒いワンピースが好きかはっきりは分からないのよねぇ〜。ごめんね、私も情報不足だったわ!」
「いえ!ありがとうございます!今度は黒いワンピースを着てみようと思います!」
女子トークはさらに盛り上がっていく。

「は・・、はっく、うぅ・・」
突然くしゃみが止まらず困るミナトは、原因はファブリーズをかけすぎたからかと思っていた。

「シロップさんよぉ」
「映画はまだ上映中だから安心しなよ」
「そーじゃねえんすよぉ〜」
とは言いながらちらっとカレンダーを気にするコウイチ。
「ミナトにさぁ、ピンクのスカートとブルーのスカートだったらどっちが好きって聞いたらさぁ、あいつ選択肢にない黒って言いやがってさあ、俺はピンクがブルーかって聞いてんのにさぁ〜」
「黒が好きなんじゃないの?」
「俺はピンクなのよ!いやぁ彼女いないけどピンクっていいですわ〜、旦那〜!」
「今は何時代なの?」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

春の楓(11)

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投稿日:2023/07/12 06:20:49

文字数:932文字

カテゴリ:小説

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