茶の間の襖を開け広げ                  
畳に影をつけてみた                   
敷居を跨いだその足を                  
白い所に置いてみた                   
若者を座敷に上げて                   
湯呑みに番茶を入れてやる
何でも知つてるふりをして
後を濁して語らない                    

途切れた会話を待つてたやうに
古時計の音が入り込む
身の上話を境目に                
聞き手と話し手とを逆転させながら            

床の間の障子を開け放ち
元気な風を入れてみた
鴨居をくぐつたその首を
暗い所に向けてみた
若者を向ひに座らせ
適当な謎をかけてやる
話を聞いてやるふりをして
曖昧な相槌を打つてやる

はぐらかされた答への隙間を
せんべいの音が埋めていく
手垢にまみれた昔話から
歯切れの悪い教訓を読み取りながら

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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魔術師

閲覧数:84

投稿日:2020/07/27 23:54:02

文字数:430文字

カテゴリ:歌詞

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