A1
ある老人の話
いつも 路地で丸まって
すっかり猫背が 板について
優しげで 寂しげだ

B1
老人は言った
「私とお前は似ている」と
捨てられ 汚れていて
そんなところが同じなんだ、と
冷たくなる 老人に思った

S1
ひとかけらのパンの
重みを僕らは知っていた
あなたの言葉の
重みを僕は知らずにいた
悲しみを ただ抱いていた


A2
ある貴婦人の話
檻で囲まれた屋敷
毛並みの良い 飼い猫のよう
澄ましてる 俯いてる

B2
貴婦人は言った
「私とお前は似ている」と
繋がれて 愛でられて
そんなところが同じなんだ、と
涙伝う 貴婦人に思った

S2
ひと撫で ひと撫での
疎ましさを僕らは知っていた
あなたの言葉の
半分も僕は知らずにいた
悲しみを ただ抱いていた



僕は 気ままに
生きてゆきたいだけだ
僕は 気ままに
生きてゆこうと思う

悲しみも 何もかも
寂しさも 何もかも
こんな首輪は 置いてゆこう

ただ あなた達の温かさを抱いて
僕は生きてゆくの。
僕は生きてゆくの。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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Caprice

【Caprice=気ままな】

世界は、悲しさで溢れていて
世界は、寂しいだけのもの
そう、ある『黒猫』は思っていた

一人の老人に会った 一人の貴婦人に会った
『黒猫』は自分と同じ人間を不憫に思った
ただ、二人には悲しみと寂しさが全てではないのだと気付いた

世界は、温かみを孕んでいるのだと
ならば、生きるように生きてゆこうと。


***

『猫』でお題をいただきました
長い間、書けませんですいませんでした
授業中に書いて(こら)、そのままノートに挟んだままにしていまして、数か月行方不明になっていた歌詞です

頭にメロディーを浮かべて書きました
浮かんだのは、とても単調で、ひっそりとした曲です
CDのカップリングみたいな、でも、なんかストーリーがあって、覚えている曲、みたいなものにできたらと
(実際はメロディーないので、ただの文章なのですが・・・;)

やってみたい『猫』での歌詞が何通りかあります
これはその一つ
今後も、やってみたいお題ですw

閲覧数:39

投稿日:2010/08/31 23:41:31

文字数:452文字

カテゴリ:歌詞

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