「はー…生き返るゥー…」
湯飲みのお茶を一気飲みしたのは枯畳イグサさん。さっきまで玄関で倒れ…正確には寝ていた。
騒ぎを聞きつけたラビとアル君でリビングのソファーまで運んだ時、目が覚めたみたい
「お久しぶりですわねぇ、イグサさん」
「えっとぶりだなー!キクちゃんも元気そうで安心した!」
このヒトはおキクさんの従兄らしい。
「倒れとったからビックリしたわ。大丈夫そうやな」
「お電話貰ってからすぐでしたわね~」
「いやー突然すいません。旅先で知り合った人のお宅にお邪魔させて貰うことになったんじゃけど、キクちゃん家に近かかったからちょっと寄ったんじゃ。あ、これ土産」
「まぁまぁ!お気になさらないで遊びに来てくださればいいですわよ~」
「お土産?何々?」
「ちょ、ラビ!お客さんの前で…」
マスター大人振ってる~、と膨れるラビは置いといて…
「なんで玄関先で寝てたんですか?」
「あー、あれはw夜通し歩いてたら疲れちゃって」
「…夜通し?」
え。話が読めない…どこから夜通し歩いてきたんだろう、
「面白いイントネーションしてんなー、それ何弁なん?」
と尋ねる前にデネに遮られた
「んー、ずっと四国をウロウロしてたからそこらへん?」
「前は九州でしたわねぇ」
「旅好きなもんで」
イグサさんは趣味で全国を渡り歩いているらしい。
「1人で寂しくないんッスか?マスターはどうされてるんスか?」
「それが案外1人でじゃないんだよな!旅先で友達ができたり、街の人にお世話になったり。たまに友達と2人旅行したりもするんじゃ。マスターは名義上だけでおらん様なもんじゃけど」
「…名義上?そのマスターさんは何をされてるんですか」
「ん?たぶん君のお母さんかな」
「うぇッ!?」
た、確かに…おキクさんを造ったのはお母さんだからイグサさんもそうなんだろうけど。
そういえば、お母さんって何人ボカロ造ってるんだろ…
「マスターのおかげで俺もフラフラ自由にできるし、感謝してるよ」
「お母さん何人ボカロ造ってるんだろーね?ラビたんまだ妹に会ったことないー」
うわ。同じこと考えてた…じゃなくて!じゃなくて!!
「ラビは2人姉妹じゃないの!?」
「え?何をいまさら~」
一瞬見合わせて、あはははは、と若干馬鹿にしてるようなトーンで笑うラビとデネ
「兎音は6人兄妹やで?」
「きょーだい!?え、なんでデネ知ってるの…」
「お兄さんに会ったことあるし」
前に買い物先でたまたまねー、ってラビとデネが話すのを呆然と聞き流す
「まー、一緒に造られたのはお姉ちゃんだけだよー」
おぅおぅ…話がわからなくなってきた…
「あのですね!俺達の生みの親であるマスターさんのお母様はッスね、非常に気分屋な方なんッス!だから『このコは弟がいそうだなー』って思ったらすぐ造ってしまうんス!」
「ほなけん、俺もキクちゃんみたいなボカロもう1人欲しい、てマスターが造ったんじゃ」
「ぶっちゃけ兄妹とか後付けだよねwラビたんも最近まで知らなかったもん」
「でも、まぁ弟欲しかったし。あたしは嬉しいわー」
イグサさんの話からボカロ関係の話になってる…。正直話に着いていけないのですが。あれ、何か聞きたいことがあった気がするんだけど、なんだったかな…
「おっと、もうこの時間か!俺そろそろ…」
「もう行かれてしまうんですの?ゆっくりなさっていいですわよ~」
「ちょっと友達と約束してるんじゃ。ほんなら、ありがとうな」
玄関先までみんなで見送って、イグサさんはまた来るわ~、と手を振りながら去っていった
「おもしろいヒトだったね!」
「お土産に羊羹まで頂いてしまいましたわ~」
「…誰か来てたの?」
「どわあぁ!ヨウ!?そういえば居ったな…」
「姉貴、お部屋訪問したじゃないッスかw」
「テルくんも呼んで、みんなでおやつの時間にしましょうか。お茶淹れますわね~」
「え…テル、おんの?」
ではでは楽しいオヤツターイム!
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