カリカリカリカリカリカリカリカリカリ………
部屋にシャーペンの音がこだまする。
「なぁリン」
手の動きは止めずにリンに声を掛けた。
「なにレン?」
イスに座ってマンガを読んでいるリンが返事をする。
「確かテストって終わったよな?」
「先週ね」
「なんで俺勉強してんの?」
「それはあんたが赤点とったからからでしょ~」
リンは興味なさそーに言う。
確かに、確かに今追試課題をやっているのは俺のせいだ。テスト期間中ろくに勉強もせずに遊びほうけていたさ。でも、でもさぁ…
「夏休みなんだからいいじゃないかぁ!!!」
俺の悲痛な声が木霊する。
リンはもはや勉強している俺の前でゲームを始めていた。
「そもそも、勉強している弟の前でゲームするとは何事だぁ!!」
「勉強しているのは自分のせいじゃないの」
うぐっ……それを言われてしまうと何も言い返せない。
くそう、サッサと終わらせて絶対俺も夏休みを満喫してやる!!
そう心に決めたある夏の午後だった…。
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