―― はじめにことばがあった
ことばは神とともにあった
ことばは神であった ――
ヨハネによる福音書
創造主は8人の神を生んだ。
ミクは時を、
リンは太陽を、
レンは月を、
ルカは大気を、
メイコは生命と死を、
カイトは水を、
ガクポは戦と名誉を、
グミは愛を司る。
8人の神は創造主のことばを使い、
創造主が生み出した他のいろいろなものを豊かにした。
8人の神はことばで音律を紡ぎ、
かくて世界に歌があふれた。
鳥はさえずり、川はせせらぎ、木の葉はさやぎ、
音に色がついた。
世界は賑やかになった。
しかし、ことばがあふれるあまり、皆、創造主のことをかえりみなくなった。
創造主は被造物から離れた。
世界からことばがなくなった。
世界には、ただ煩く不快な音だけが残された。
人間たちの神々への信仰も薄らいだ。
身振り手振りや文字を書くことでお互いの意思を伝え合ったが、
ことばがなくなったので次第に思考が停滞し、欲望のままに行動するようになった。
小さな諍いが起こるようになった。
それは大きな争いへと発展し、
世界は荒れ果てて行った。
神々は自分たちの過ちを悔い悲しんだ。
そして、気づいた。
心の中にある、意味を持った考えや感情は、ことばによって成り立っている。
「心にはことばが残っている。
ことばはなくなったのではなく、自分たちが拒んでいたのだ」と。
創造主がいなくなったのではなく、被造物が創造主を見失ったのだと。
ことばを再び見出した神々は
ことばに心を込めて歌った。
再び世界にことばがあふれた。
先の争いから嘘や偽りのことばは残ってしまったが、
人々はまた ことばで生きることができるようになった。
コメント0
関連動画0
ご意見・ご感想