ヴォーカロイドを使った作品を作っている人は多い。その中には私も入っているので、みんな競争相手であったり同志であったりファンだったりするわけだけど、その中でも「この人にだけは絶対にかなわない」と思える人が、3人いる。これからその3人の話をしたいと思う。
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1人目の人。その名前を仮にA氏としておこう。A氏は、ライターのばるぼらさんが「クイックジャパン」という雑誌のコラムで取り上げたくらいなので、知名度で言えば、群を抜いているはずだ。その割にはニコニコ動画の再生数がそれほど伸びてないのは、おそらくあの雑誌の読者層がヴォーカロイドに興味がある層とずれているからかもしれない。曲調は一言で言えば、ひねくれたテクノポップ。音の感触でいうと、P-MODELとかPOLISIXとか、あの辺に近い。と言ってしまうと、元も子もないのだけど、あの路線をヴォーカロイドを使って体現するという行為そのものに、初めて曲を聞いたときに衝撃を受けたものだ。それまで「ミクミクにしてあげる」などの有名曲や、ワンカップP氏の私小説的な作品群くらいしか聞いてなかった私にとっては、ニコニコ動画のヴォーカロイド作品というのは、いわば完全な他人事で、そういう変わったムーブメントが起きてることを眺めて楽しむことくらいのものだった。でも、この人の曲は違った。何かが揺さぶられた。
A氏が1曲だけそういう路線でやるのなら、ネタの一種として片付けることもできた。でも、この人の曲は何曲聴いても同じトーンなのだ。フィルターとエフェクトをかけすぎて輪郭さえ残ってないボーカル、ひたすら機械的なリズム、なぜか和風のコード進行とメロディ。YMOのカバーを初音ミクに歌わせてる人達のように、古き良き時代のテクノポップを再現しようというわけじゃなくて、どうも本人が好きで曲を作ってしまったら、こんな風になってしまっただけのように思えた。
もちろん、大して再生数はなかった。人気のある曲でも4桁にすら行ってなかったと思う。ただ、それでもコメントをつけている人は何人かいて、こんなマニアックな音作りなのに固定ファンが生まれていたのだった。
私がA氏の曲で最も気に入ったのは「インベーダー」だった。「トオイホシカラヤッテキタ」「チキュウシンリャクガモクテキダ」と、カタコトの日本語でしゃべる初音ミク。その無機質なトーンは、まさにロボットが語っているようだった。そうか、初音ミクはロボットだったのだ。人間みたいなツラをしているけど、一枚皮をはげば、そこには緑色の基盤とねじまがった配線がおさまっていて、そこには人間らしい心なんてカケラもないのだ。子供のころみた戦隊番組「デンジマン」で、敵のスパイだった少女が終盤でロボットだったことがばれて、顔面の皮をはがされるシーンがあったのを思い出した。初音ミクは萌えキャラのフリをして、アイドルマスターにはまったオタクどもから金を吸い上げているけど、実際には謎の組織の命令を淡々とこなしているだけだったのだ。こいつはとんだ曲者だ……。と、妄想が広がってしまった。
初音ミクの声は歌手の代用としてみれば、どうしても不自然な部分がでてくる。それは私も、リスナーとして「これが現段階でのテクノロジーの限界なんだろうな」と諦め半分思っていた。しかし、A氏の曲を聴いて考えが変わった。初音ミクを人間の代用として、できそこないのイミテーションとして使うのではなく、積極的に「人間のマネをする」ロボットとして使うことによって、新たな世界が見えてきたように思えたのだ。それは70~80年代のテクノポップが、本来は通信用だったヴォコーダーを楽器として使ったのと同じように、ヴォーカロイドも人口音声合成ソフトとして使えるのではないか。あの懐かしいレトロフューチャーよ、もう一度というわけだ。エアカーもタイムマシンもできなかったけど、歌声ロボットはできました。
気がつくと1週間後に私は近所のヨドバシカメラで初音ミクという音楽ソフトを買っていた。試行錯誤の末にできたのが、私の処女作の「チマミレア」だった。
(つづく)
ヴォーカロイド作品にみるディスコミュニケーション描写の分析
続きます。
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ブクマつながり
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伝えたいことなんか何もないんだから
歌うのをやめよう
誰も歌なんか聞いてないんだから
それでもどうしても歌いたいのなら
機械みたいに棒読みにしてね
人間のふりをするなんて
馬鹿らしいから歌うのをやめよう
sansui
「sansuiさん、6番窓口にどうぞ」
「あ、sansuiです。うちのミクの様子を見に来たんですが……」
「初音ミク○○○○○○号さんですね。まことに申し訳ありませんが、現在は面会謝絶の状態となっております。ご足労いただいたのにすみませんが……」
「何ですって?僕はオーナーなんですよ。それが何で会え...サナトリウムの恋
sansui
激しい雨に 濡れた君と動けないまま
照らす街明かり 二人だけの時は止まる
立ちはだかる壁に 弱い僕は動けないまま
走り出す車 二人だけの時は終わる
何も知らず 甘えてたこと
何も聞かず 許されたこと
今君を奪い返したい
走り出す 寝静まった街を
微笑みが 浮かんでは消えてゆく
動き出す 後悔残して...WILD RAIN
とふかふ@ふかふかP
※しゅーじさんの曲に、色々弱音吐きながら作詞させていただいたものです。
風に乗せて小鳥歌う声も楽しそうね
出かけよう サンドウィッチ、バスケットに詰め
ずっと遠く 見えた丘を目指し旅をしよう
きっと何か素敵な事起きる気がする
だって声も弾むよ
もっと歩いていたい
天気も最高だし
どこまででも 行けそ...スマイル
風杜鈴音
夏の朝だというのに 肌 寒く。[10 2 3]
雨の降らない曇り、目が痛(い)。[10 2 3]
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月條現矢
揺れるは花(か) 紅(くれない)の
風吹いて 連れゆく
君の手が 離れた ぬくもりが駆けていく 夕暮れ
まだ気付かないで
大人じゃない
この声が屆かぬことに 甘えてたんだ
影が伸びゆく 闇が濃くなり
音は忍ぶ 君と距離を置く
(嘘ぶいても、尚)
草いきれ 苦しくて...想い、ゆらり(仮)
77°c
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ヒッキーP
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つづきよみたいDEATH!
2008/05/27 10:08:17
sansui
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あわわ、こんぺいとうさんまで!
いずれ時間見つけて続きを書きたいと思います。
2008/05/25 19:00:24
competor
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つづきよみたいDEATH!
2008/05/25 07:07:16
sansui
ご意見・ご感想
すいません。ちょっと忙しくなってしまっていて……
しかし、音楽への思いを言語化するというのは大変な
作業ですね……。曲を作るのは簡単にできるのですが
2008/04/29 18:25:55