ちくしょう。

夏休み真っ只中の一日登校日。

しかもなんだって俺が職員室までプリントをとりに行かなきゃいけないんだ。

面倒だ。昼飯だってまだ途中だし。

いや、何より嫌なのは廊下にたむろっている先輩たちだ。

本人たちは休み中のことを話しているだけかもしれないが、

後輩から見ると恐ろしく感じる。

俺自身、先輩・後輩の関係が好きじゃないからか、

なお怖く、いや、だるく感じる。

はぁ、この先輩の間を通ってくのか。

それだけでも嫌気がさすね。


ぐだぐだと自分自身と話している俺の横を、すっと、彼女は抜いていった。

突然だった。足音すらきこえなかった。まぁ当然だが。

彼女はわき目も振らずにまっすぐ歩いていた。

そう、まっすぐに。 先輩にぶつかろうとも、まっすぐに。

彼女は先輩を透け抜けていったのを俺はこの目で見た。

見てしまった。 今度は、追いかけた。

「いてぇな!」

「すみません!」

俺は彼女と違い、思いっきり先輩にぶつかり、怒られたが、

とりあえず、追い続けた。


「おい、待てよ!」

息が上がってきた。運動不足かな。

いや、今はそんなこと、どうでもいい。

「はぁ、はぁ、やっと追いついた」

俺は彼女に向って、言葉を続ける。

「ねぇ、君、幽霊?」

わぉ、自分でも驚く単刀直入な質問。

だがしかし、彼女は僕を振りかえることもなく、

いや立ち止まることもなく、遠ざかって行った。


俺は追うのをやめ、遠ざかっていく一美少女の後姿を眺めていた。


声は聞こえなかったのか。聞こえないふりをしたのか。

俺には、わからなかった。

ライセンス

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なつきたるらし ~視れる少年、視えない少女~ 04

たぶん、次で最後かな。

なかなかどうして、ミステリアスな感じでいいんじゃない!?

・・・何も起こらず終わりそうな気もするけどorz

閲覧数:124

投稿日:2009/08/04 16:15:14

文字数:692文字

カテゴリ:小説

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    旧アカウント

    ご意見・ご感想

    長編ですか!? 

    短編しか書いたことないので、新ジャンルを切り開く感じにw

    了解です、がんばります!

    2009/08/04 14:35:27

  • ヘルケロ

    ヘルケロ

    ご意見・ご感想

    ヘルフィヨトルです。

    良い展開ですね^^
    さてさてこのまま長編に……
    って∑(゜□゜
    次で終わるなんておかしいです!
    あと10話はかけると思います。
    というか長編にしてほしいです><

    2009/08/04 06:45:57

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