【1番】

「好き」「嫌い」「好き」「嫌い」
刻んだリズムに花びら乗せて
「する」「しない」「する」「しない」
大事な決め事すら委ねたんだ


横顔に一目惚れなんて
テンプレ過ぎて呆れちゃうよね
歯も見せない穏やかな笑顔に
魅せられたんだ
それだけなんだ

陽だまりの暖かい席で
頬杖ついた君は居眠り
まだ肌寒い春の昼下がり
夢はそのまま
上着をそっと掛けた


帰り際土手に咲いた
罪なきタンポポ一つ摘んで
風に乗せて花びら飛ばしたんだ
揺れる想いを閉じ込めたくて

どうすればいいだろう
どうしたら正解だろう
もう知っているんだよ
僕の複雑怪奇な心は

淡い期待に賭けてもいいのか
熱い鼓動に委ねていいのか
優柔不断な奴が頼るのは
結局のところ運でしかないのさ



【2番】

「好き」「嫌い」「好き」「嫌い」
さざめく川面に茎を流して
「する」「しない」「する」「しない」
また会える明日まで待ちわびてた

突然の転校話には
耳を疑うしかなかったんだ
いつものあの穏やかな笑顔は
陰っていたんだ
それだけなのに

隙間風忍び寄る席は
放課後すぐに君を追い出す
だんだん迫る日々の終末
飛び去る時間
自分をずっと責めた


夕暮れに翳す栞
萎びたタンポポ一つ眺め
夕日染める川面に流したんだ
焦れる気持ちに向き合いたくて

どうすればいいだろう
どうしたら正解だろう
もう知っているだろう
僕の単純明快な心は

遠い未来で後悔するより
近い未来に身を任せよう
優柔不断な奴が頼るのは
結局のところ運でしかないのさ


「好き」か「嫌い」かなんて
「好き」でしかなかった
「する」か「しない」かなんて
「する」より他はなかった
あの春の木漏れ日に咲いたタンポポで
誤魔化していただけ


どうしてもいいだろう
どうしても正解だろう
もう知っていた筈なんだ
僕の複雑怪奇な心は

淡い期待に賭けてもいいのさ
熱い鼓動に委ねていいだろ
優柔不断な奴だからこそ
全部全部をぶつけるしかないよ


またあの笑顔が見たいんだ
今度は君のすぐ隣りで