私の家には書斎がある。
そこは今まで暗い雰囲気でしかなかっけけれど
少し大人になった今、ここはいるだけで面白い、リンのお気に入りの場所になっている。
この日もリンは書斎にいた。
しかも、その日呼んでいた本は『ドッペルゲンガー』や『ポルターガイスト現象』といった超常現象の本。
リンは古くて酸化した今にも破れそうな本を端から端まで読んでいく。
その時、ふと気になる題名を見つけた。

『飾りのついた扉』
-その扉は日の入り時に現れ、名前のとおり大きく立派な飾りがあり、
 中もおそろしく奇麗。しかし、その後…
 
立派な飾り、そこまで読んでリンは一目で見てみたいと思った。
しかも、中まで……これほどみたいと思ったことはない。

「よしッさっそく実行してみよう!」

ちょうど日の入りまであと、30分ぐらい。待ち遠しい。
あと、10分ぐらい?…だいぶ赤くなってきた。


その時、レンがリンの部屋に入ってきた。
「リンどうしたんだ?そんなにニコニコして?」
「ううん、なんでもない」
リンは笑いながら言った。だってもうすぐなんだよ?レンに言ったら絶対に引きとめられるもん!
「ならいいけど…」
そう言いながらレンは部屋を出て行った。

せっかくなんだからベランダに出よう。
あと少しで太陽が欠けていく。
そこでリンはあの大きな扉を創造した。
大きくて、立派な……。

ゆっくりとリンは目を開けた。
辺りはさっきまでの景色ではない。
-一面まっくらそして大きく奇麗な扉
リンは心臓の音が高鳴るのを感じた。
扉に手をかける。
ゆっくりとゆっくりと扉が開いていきー
不思議なことに扉の中も真っ暗だ。中に風が入っていくのがわかる。
まるでリンを招いているように…。
リンは一歩を踏み出した。


「リン、レン!ご飯だよ」
1階からミクの声がする。
レンは適当に返事をすると、1階へと降りて行った。
今日の夕食はカレーだった。
「あれ?リンは?」
そこでカイトが口を開く。
確かにいつもならまっ先に降りてくるはずなのに。
「俺、ちょっと見に行ってくる」
レンはそう言うと席を立つ。

「リンー。リンーいる?もうご飯だよ?」
そう言ってリンの部屋を開ける。
でも、そこにリンはいなかった。
机の下、クローゼットの中、ベッドの下…
あらゆるところを探したけどリンはいない。
「レン、どうかした?」
あまりの遅さにカイトが心配したらしい。
「リンが…いないんだ……」
レンが答えた。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

飾りのついた扉

初投稿です。
直接打ち込んでいったので、ぐだぐだかも…

閲覧数:155

投稿日:2008/12/24 11:13:37

文字数:1,033文字

カテゴリ:小説

  • コメント2

  • 関連動画0

  • 爛華

    爛華

    ご意見・ご感想

    お返しコメありがとうございます!しかも、感想まで!!
    ミステリーなのかホラーなのか自分でもよくわかりません…
    というか自分でも超常現象っていうものは苦手なんですよね。
    『ポルターガイスト現象』って打った瞬間に後ろで「ガタッ」って音がして飛び上がった自分がいますから。
    えっと、一応自分の中では長編?2部構成ぐらいかな?と思っています。

    あっこちらからもぜひよろしくお願いしますm(__)m

    2008/12/31 23:32:53

  • 時給310円

    時給310円

    ご意見・ご感想

    こんにちは、初コメさせて頂きます。
    頂きますが……え? ええっ? これは一体……!?
    ミステリー? ホラー? まずい、トイレ行けねぇww
    終わり方がとても秀逸ですね。何とも言えない、ゾクゾクした感じが余韻として心に残って、とても良いと思います。
    これで完結とも出来るし、長編の導入部とすることも出来ますね。はてさて、どうなのでしょうか。
    一瞬、現実を忘れるような不可思議なひとときでした。ありがとうございました。

    2008/12/31 00:43:53

オススメ作品

クリップボードにコピーしました