生きる、それは、私に許された事なのでしょうか?

【生きる為の代償】

「あ、未来さん。おはようございます。今朝の調子は如何でしょうか?」
看護士さんが私に問いかける。
私は初音未来。小さい頃から病弱で、人生の殆どを病院で過ごしている。
病気の名前は忘れた。でも、とても深刻らしい。
私の担当の看護士さんは巡音流歌さん。とても優しい人なの。
流歌さんは、私が初めて病院に来た時、丁度入院してたの。
それから、頑張って看護士さんになったんだって。
正直言って、私は流歌さんで安心した。
「はい。大丈夫です。今日も活動できる位には元気です」
「そう、なら、良かった」
流歌さんはほっとした様に胸を撫で下ろした。
私の病気には発作が起こる寸前には何かあるらしい。
元々体の弱い私は、いくつもの病気にかかっている。
だから、小さい頃からこの病院に入院してるの。
「あ、林さんも目が覚めたんですね」
私と同室の少女、鏡音林。
彼女は重複した障害を持っている。
声は出ない、手は腕が全く動かず、指などが動くだけ。
足も全く動かず、成長もゆっくり。
そんな林ちゃんが得意なのは話を作る事。
林ちゃんの話はとても楽しい。
私と林ちゃんしかこの部屋に居ない。
だからこそなのかもしれない。
私と林ちゃんはとても仲良くなっていた。
いつか別れる日が来る事は知っている。
だから、私も林ちゃんも残された時間を大切に生きている。
林ちゃんは、手話で私に話しかけてくれる。
『おはよう、未来ちゃん』
「おはよう、林ちゃん」
「じゃあ、私は朝食を持って来ますね」
そう言って流歌さんは部屋を後にした。
『ねえ、未来ちゃん。今日はどんな話が聞きたい?』
「う~ん、そうだね…。あ、前に話してくれた悪魔の修道女とか良い?」
私は林ちゃんに聞いた。
林ちゃんは頷いて、話を聞かせてくれた。
これは、私の人生の物語。
命と人と、Lifeの話。
これから、私の毎日の事を話します。

第一話、「私の毎日」

ライセンス

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生きる為の代償第一話「私の毎日」

LifeLifeLifeの歌詞と関連した小説です。
これからの未来の毎日、それは…。

初音未来(はつねみく)
16歳
心優しい少女。
礼儀正しく、おとなしい。
母親は多忙で入院した時くらいにはもう未来とはあまり会ってない。

鏡音林(かがみねりん)
15歳
元気な少女。
本当は歌手という夢があった。
寿命はそんなに長くない。

巡音流歌(めぐりねるか)
24歳
清楚で可憐な女性。
とても気配りをしていて、看護士には向いてるといわれている。
実際に看護士として良い評価を受けている。

閲覧数:209

投稿日:2011/10/01 20:48:43

文字数:833文字

カテゴリ:小説

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