#70「生活」



五日後……

私の風邪はとっくに治り、久しぶりに外に出た

やっぱり、外の空気は気持ちよかった

今日は天気もいい


カイトさんは、一昨日から再開した診療所の仕事に出かけている

熱が下がった日の夜、私に「何もできなくてごめん」と言っていたが、それは仕方ない事……

カイトさんに心配かけないように、今後は風邪ひかないように気をつけないと……




ミクさんは、今日も義弟妹の世話

あの人はいつも笑顔で……私の「いつも笑顔でいる」という目標を軽々とクリアされてしまっているようにも感じた

ただ……あの日以来、私はミクさんを避けているのかもしれない

再び、「マイちゃんって、何者?」って聞かれたら、どんな顔をして、なんて答えたらいいのかわからなかったから……




レンさんは、いつも昼はどこかに出かけている

夕方、帰ってきて、口では「仕方ねぇな…」「ちっ、面倒だな」とか言っているけど、ミクさんが夕食の支度や片づけをしている間や、お風呂に入っている間など、きちんと義弟妹の面倒をみている

私もそれを手伝ったりするけれど、いままで自分より小さな子の面倒なんてみたことなかったし、失敗も多い

そのたびにレンさんが助けてくれる



あと、この孤児院の修繕費が経費として落ちたようで、近々、修繕作業に入るらしい

シスターも、あと数日で帰ってくるとミクさんが言っていた



私も……ここに溶け込めているかな……

そんなことを考えながら、私は村を見て回る

前に「マイ」として生活していた時は、孤児院と診療所、あとは森くらいしかいっていなかったので、こうして村を見て回るだけでも楽しい

この村を見ていると、人間が怖いものだって思っていた時期があったのが、ばかばかしくなる

カイトさんの言っていた通り、人間も、妖精も……何も変わらないのかもしれない……






村から出て、少し歩くと小さな川があるらしい

そんなことをカイトさんから聞いていた私は、その川を見に行ってみることにした



清らかな水の流れ……

近くの山から流れてきているのだろう……

周りが自然だらけのこの場所では、川も綺麗で魚も泳いでいた


私がふと、上流の方に目をむけると、レンさんがいた


「おーーい!レンさーん!」


私が大きな声で呼び、手を振った

すると、レンさんは恥ずかしそうに手を少しだけ挙げて、すぐにおろした

一体、何をしているんだろう……



気になった私は、レンさんのもとに駆けていった


ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

妖精の毒#70

リンちゃん視点で、整理してみましたw

カイトの視点だけだと、わからないことも書けるので楽しい!ww

そして、次回!
リンちゃんとレン君が主役!……な、はず!w

閲覧数:163

投稿日:2012/09/27 23:52:19

文字数:1,070文字

カテゴリ:小説

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  • イズミ草

    イズミ草

    ご意見・ご感想

    おおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!
    レン君リンちゃん主役!!!

    こりゃ待ってました!!

    あ、でもでも。
    れん⇒ミク
    ですよね…
    ぅう―――複雑だ

    2012/09/28 18:18:46

    • しるる

      しるる

      待ってましたか!ww

      よくみてる証拠のコメントww
      さて、どうなるかな?ww

      2012/09/29 00:32:03

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