＃３６



ミク、メイコ、カイトがレンの弱まる反応にむけて走る


「カイト……あなたは中にいてもよかったのよ？」

「ありがと、めーちゃん。けど、じっとしていられなくて…………そこを左だ！」


カイトがメイコの【心配】をよそに指示を出す

ミクがカイトの指示通り曲がる





必死に走ったミクたちは、数分でレンのもとにたどりつく

しかし、そこでみたものは……赤く染まってしまって動かないレンの姿


「あ……レンさん！」


ミクが一番に駆け寄る


「レンさん！レンさん！」


ミクが涙目でレンの体をゆする


「ミク、傷が開くからやめるんだ！……大丈夫、まだ息はある」


カイトがミクをレンから引き離す

そして、自分の服を破って、本当に軽い応急処置をする


「特に背中の傷が危ないな……早く、運ばないと！」

「うっ……うっ……私が……自己回復だけじゃなかったら……」


ミクが苦しそうなレンを見て、泣いている


「……カイト、ミクとレンのこと頼んだわ」

「え……めーちゃんは？」


カイトがレンを背負って、メイコの方を見る


「私は……リンの様子を見てくるわ…………一人には出来ないでしょう」


そう悲しそうに下をむいたメイコ

レンは生きていた……けど、反応がなかったリンは……


「わかった……気をつけて…………ミク、いくよ」


カイトはそれだけいうと、ミクと一緒に帰っていった




メイコがリンの体を探して、辺りを探す

しかし、リンの体はどこにもなく……あったのは、白いリボンのついた壊れたヘッドセットだった

そして、その白いはずのリボンは所々、赤黒くなっていた……


















一足先に帰ってきたカイトとミクは、レンをベッドに寝かせる

そして、出来る限りの治療をする

……といっても、治療専門のルカや、他人を治癒出来るハクみたいな人はここにはいない

出来るのは、せいぜい薬を塗って、包帯を巻く程度……

あとはレンの生命力次第……


「僕は……無力だな……」


カイトがポツリという


「いえ……それなら、私だって…………それに……リンさんまで」


そういうと顔をふせてしまったミク


「……」


それに対し、カイトは何も言えなかった

これで……ここに残るメンバーは、自分とメイコ、ミク、レンだけになってしまったわけなのだから

そして……自分は戦力にならない……そして、レンもこの状態じゃ、しばらく動けないかもしれない


「……僕も……覚悟を決めないといけないかな……」


カイトが小さくそういった声は、泣いていたミクには聞こえなかった