日曜日の朝、俺はミクの家で本を読んでいた。

「…ねぇ、クオ。」

「ん、何だよ。」

半分程読んだところで、ミクに声をかけられた。

「これ、何?説明して。」

目の前に突き出されたミクの手には、俺とミクじゃない女が仲良さげに手を取り合ってる写真があった。

「何って……写真?」

「そういうことを聞いてるんじゃないの!」

写真を机に叩きつけてミクは怒鳴った。

「………………。」

さて、どうしようか。
危ないな、この状況。

「黙ってないで何か言ってよ!」

「……その写真、どうしたの?」

「………………友達が見かけて、撮ってくれたの。」

マジか…油断してた。

「クオ、どうしてなの?」

ミクが悲しげに目を伏せ問いかけてくる。

「その写真は、ミクに嫉妬させたくて、撮って貰ったんだよ。」

口から溢れた嘘。

「ミクが最近かまってくれないからさ。」

咄嗟に出てきた嘘。

「……本当に?」

まだ訝しげに俺を睨み付けながら、ミクは言った。

「もしかして、信じてない?俺はミクのこと信じてるのに?」

「そういう訳じゃ、」

「ミクはその写真だけで、俺のこと嫌いになったの?俺はミクがその写真みたいになってても、愛し続けるよ。」

自分でも驚く程の、気持ち悪いくらい甘い台詞。

「……ゴメン、クオ。私、クオのこと信じるよ。」

「ありがとう。ミクおいで。」

手招きをして、ミクを自分の方に引き寄せる。

あぁ、本当に滑稽だ。

「愛してるよ、ミク。」

サラサラの髪に何回もキスをする。

「ねぇ、クオ。ここにもキスして。」

自分の唇を指差して、ミクは微笑んだ。

「わかったよ。」

ミクの唇を俺の唇で塞ぐ。
そして、ゆっくりと離す。

ミクは潤んだ目で俺を見詰めた。
俺に問い詰めてきた時とは、大違いだ。

「クオ、愛してる。」

甘ったるい声でミクが囁く。

「俺もだよ。」










本当はキミなんて愛してないけど。












fin.

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

キミなんて、

ひさしぶりの投稿です。
甘くないの書こうとしたら、クオが…。
まあ、たまにはいいかww

閲覧数:202

投稿日:2011/10/22 23:43:38

文字数:857文字

カテゴリ:小説

  • コメント2

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  • 甘菜

    甘菜

    ご意見・ご感想

    クオくん、何を血迷っているんだ!!
    ミクちゃんという可愛い子がいるのだよ!!(笑)
    そしてクオくんの隣に写っている女の子を一発、やってきましょうか・・・w

    最後の言葉が(こんな事言ったらミクちゃんに殴られるかもしれないが)カッコよかったです!
    なんか上手くビシッと決まった感じが・・・
    次を想像したくなりますね!!

    以上、甘菜でした☆

    2011/10/23 21:20:10

    • 檸檬飴

      檸檬飴

      クオくんは血迷っただけなんです!
      魔がさしたというか…(^^;
      なので、隣の子を一発…ww

      甘くないのを書いてみたら、ミクちゃんが可哀想なことになっちゃいましたが、ビシッと決まってましたか?
      そう言って下さると、嬉しいです(*^^*)

      メッセージありがとうございました!

      2011/10/24 16:37:00

  • 禀菟

    禀菟

    ご意見・ご感想

    く、クオさん浮気はダメだよ!!

    あっまーい!!
    馴れてきたんだね、甘いやつ←

    2011/10/23 00:10:27

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