私たちが入るとヴァイオリンと歌声は消えた。
その人はヴァイオリンを肩に乗せたまま振り返る。
「新入生か。なんか用?」
意外とさめた声にビックリしたが、その間にニコフが返答していた。
「別に用があるわけじゃないんですけど。あなたも新入生ですよね。」
「ああ、新入生だが。」
「えーっと、仲良くしませんか?」
「別にいいが。それに私は君たちとまだ三言しか話してないが・・・。」
「巫女と・・・?」
私がその服装から変な間違いをしていると巫女姿のその人はワードで見せながら返答してくれた。
「三言だ。」
あ、ああ。その三言か。
「それと、これは巫女ではない。ただの袴だ。」
「あ、そうですか。」
「ちなみに巫女服は上が白で下が朱色だ。なんでそうなっているかと言うと・・・」
私は語り終わるまで待ってから話をすることにする。それにしても、なんで巫女服からこんなに話しが膨れ上がるんだろう?なんかどうしてスカートはふわりと広がるのかという、訳の分からない話になっている。と思ったら今度はその数式なんか語りだしたし・・・。
「あの、ちょっといいですか?」
「なんだ?私の説明が間違っているのか?」
「いや、ちょっと。そういうわけじゃないんですけど・・・。」
「言いたいことがあるならはっきり言え。」
「名前教えてください!」
「そんなことか。」
私は完全に押されている。この人とはもしかして気が合わないかもしれない・・・。
「私の名前は卯月キズナだ。ちなみに卯月とは・・・」
「もう説明はいいです!」
「なんだ、飽きてしまったのか?飽きてしまったと言うことは、あれだ。私の話し方がいけなかったか。ふむ。この話し方も考え直さなくては・・・」
「いや、そうじゃなくて・・・」
「そうじゃなくてなんだ?さっきからはっきり言えと言っているだろ。」
「えと、私はあんまりそういう説明を求めてないって言うか・・・。」
「なんだ?そのほかに言いたいことがあるような終わり方は。文法的にはそこで終われんぞ。」
ああ、卯月さんと話してると疲れる・・・。
「卯月さんは何歳なんですか?」
「今私の言葉を完璧スルーしたな。私の年齢は14歳だ。だが、君たちはまだ名乗ってもいない。この借りはどうしてくれる?」
「あ、私は零音リフレイン。レインって呼んでください。」
「俺は辛音ニコフです。俺たちも14なんで・・・。」
「14なんでなんだ?文法的には続くぞ。」
「よろしくお願いします。」
「それと、君たちは何で私に敬語で話すんだ。私たちは同級生と言うことが今の会話から分かっただろう。」
「いや、なんか卯月さんとは敬語で話さないといけないような雰囲気が・・・。」
「なんだそれは?だったら私に敬語で喋るなと命令するぞ。私は敬語が嫌いだ。」
私はなんだか卯月さんが私たちより二、三段上にいるように思えて、手が出せない。
「じゃ、じゃあ、卯月のマスターはどこにいるの?」
「それは個人情報だ。私が許可無く喋れることではない。」
「・・・疲れる。」
「何が疲れるんだ?」
「地獄耳・・・。」
「心外だな。地獄耳とは・・・、初対面の人に言うことではないのではないか?それと、私にそれを言うとは君はよほど運が悪いな。私は敬語より何よりそういわれることが一番嫌いなのだ。君には一回死んでもらおう。」
「へ?また俺が死ぬの?作者が俺いじるの飽きたって言ってたよ?」
「そんなのは関係ない。お前が一番いじりやすいんだろう。」
そういいながら卯月は拳を鳴らしながらニコフに近づいていく。
「そ、そんなの不公平だよ。ねぇ、作者さん。」
(ちなみに僕は知らない。成り行きですから。)
「そ、そんな・・・。」
「そんな。なんだ?お前ははっきりしない男だ。いっぺん死んで来い!」
ニコフの悲鳴が音楽室内に綺麗に響いた。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

ボーカロイドXX

結局ニコフ君はいじられ役なんです。
ちなみに小説内の( )は僕の言葉です。

学校編開始ですかね?
すでに終わらせ方を考えてあります。

閲覧数:81

投稿日:2009/08/13 23:29:38

文字数:1,580文字

カテゴリ:小説

  • コメント2

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  • 多夢 Ω

    多夢 Ω

    その他

    卯月さんはまあ、多分そのマスターが出てくるとは思わないんですけど・・・。
    作者が出てきたのは例外です。
    でも、自分出してもいいかも?
    ニコフ君については・・・。まあドンマイです。
    本気で成り行きなんで・・・。

    2009/08/17 08:07:21

  • ヘルケロ

    ヘルケロ

    ご意見・ご感想

    ニコフさん^^;
    卯月さん、何か私も苦手です……
    というか、作者登場ですか!?
    ドタバタギャグコメディーの予感w

    2009/08/17 05:56:44

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