(A1)
最初の言葉は何だった？
「君の名前」「僕の名前」
僕等代名詞を叫びあって
生命(こ)の存在を示すには
それ等はあまりに儚くて
だから僕等は刻みあった

(A2)
君が「僕」を呼ぶように
僕が「君」を呼んでみると
君は名前(それ)を放り出して
剥き出しの心(もの)に手を掛けて
「まだガラクタを抱えてるの？」
無名の表情(かお)で嘲笑った

(B)
僕は何を見失った？
ビルの狭間に落とした音はドコ二？
君は何を見誤った？
ビルの狭間で見上げた空はデコイ？

(S1)
往かないで、其処は寒い
失くした名前(もの)なら【此処】にあるから
消えていかないで、ひとりは寒い
君の名前(すべて)を僕は知っている

(A3)
最後の言葉は何にしよう？
「君の名前」「君の名前(すべて)」
存在名詞を撒き散らして
それが生きるってことでしょう？
「まだガラクタを探しているの」
疲れた表情(かお)で微笑った

(B)
僕は何を見失った？
ビルの狭間に落とした音はドコ二？
君は何を見誤った？
ビルの狭間で見上げた空はデコイ？

(S2)
手放した、君の心(かけら)は
その手の温もりを夢見て眠る
「迎えに来てよ、【此処】にいるよ」
ガラクタ(こころ)の声が聞こえていますか？

(S1)
往かないで、其処は寒い
失くした名前(もの)なら【此処】にあるから
消えていかないで、ひとりは寒い
君の名前(すべて)を僕は知っている

何度でも、「君」を呼ぶよ
君の名前(すべて)を僕は知っている