失くした光を探し 夜ごと彷徨う下層街
私の宝物はどろりと 濁り蕩け落ちた


速まる靴音鳴らし 街を横切る燕尾服
施す金貨に笑み映す きっと今宵は雨だろう

私の愛しい宝石 盗人はどこへ逃げた?
翳す銀月 咲いて鮮血 毀す嗚咽は雨夜
喝采と消ゆ


澄んだ蒼水晶 穢れなき白磁 鮮やかな紅玉
全て失くした可哀想なお姫様
その美しい蒼 取り戻せたならば
もう一度幸福そうな微笑を見せてくれないか?


行き交う蹄を躱し 街を騒がす三文記事
霧撒く捜査に笑み隠す きっと今宵も雨だろう

渡りの季節が近付き 焦燥は破滅の跫音
残す断片 迫る終演 朽ちる花弁は暑夜
芳香と散る


蕩けた眼球 崩れ落ちる四肢 色褪せた心臓
全て失くした可哀想なお姫様
その美しい蒼 取り戻せたならば
もう一度幸福だった日々を

どうか……

澄んだ蒼水晶 穢れなき白磁 鮮やかな紅玉
もう元通り可愛らしいお姫様
あの美しい記憶 霞んでゆく前に
もう一度幸福そうな微笑を見せてくれないか?

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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テセウスの幸福論 (歌詞)

閲覧数:5

投稿日:2024/12/08 00:21:46

文字数:432文字

カテゴリ:歌詞

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