満員電車がガタゴト揺れる
ガラスの向こうは相変わらずで
咽せかえる様な人の群に
固く目を閉じるの 吐きそうだわ
右も左も左も右も
機械みたいに忙しなくって
もつれた足でリズムを奏でる
不協和音は聞こえないふり
あなたがいて 私がいて
其れだけで充分だった筈なのに
明日を照らす光が消えて
私あなたの大きさを知ったのよ
「過去は寂しがりだから」って
思い出をカメラに修めてた君
馬鹿じゃないの 声が震えた
あなたの写真が 全然ないわよ
あなたの声 あなたの姿
確かに消えてしまったのに
尚も変わらないこのセカイに
私あなたの小ささを知ったのよ
不確かな記憶の海は
こんなにも鮮明なのに
砂をさらう波はどうしようもなく酷く
優しくて自分勝手ね
この足跡も消して
辿ることさえ許されないの…?
あなたがいて 私がいて
其れだけで充分だった筈なのに
明日を照らす光が消えて
私あなたの大きさを知ったのよ
あなたの声 あなたの姿
確かに消えてしまったのに
尚も変わらないこのセカイに
私あなたの小ささを知ったのよ
恋しくて セツナくて
あなたとの軌跡抱[イダ]いて眠る
ねえ、溢れる筈のこの雫が零れ落ちない私は
あなたのこと、愛せていたのかな…
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