月満ちてまた巡り
何度目の夜が来た？
影無き指を透かす
空な廃墟(まち)の中で

蒼く沈んで錆びつき
崩れ落ちていくのは
音も無い私の声

叫び続けているの
あなたに触れたくて
ひび割れた胸から
溢れる祈り

引き裂かれた心が
痛みに喘いでも
あなたへと伸ばした両手を
降ろせないまま

波風に浚われて
静かに砂と還る
実体(おもかげ)は遠く消え
残るのは残骸(きおく)だけ

紅く浮かんで雲間を
染め上げていくのは
意味の無いあなたの跡

掠れていく記憶の色
握り締めた手で震える熱
見棄てられて朽ちていく世界で
言葉はまた風に消える
明日の行方も知らず

叫び続けているの
あなたに会いたくて
ひび割れた胸から
零れるままに

突き離した世界が
私を忘れても
私は一人ここにいるわ
いつまでも

叫び続けているの
あなたに触れたくて
ひび割れた胸から
溢れる祈り

引き裂かれた心が
痛みに喘いでも
あなたへと伸ばした両手を
降ろしはしない

＊ひらがな＊

つきみちて まためぐり
なんどめのよるがきた
かげなきゆびおすかす
うつろなまちのなかで

あおく しずんで さびつき
くずれおちていくのわ
おともない わたしの こえ

さけびつづけているの
あなたにふれたくて
ひびわれたむねから
あふれるいのり

ひきさかれたこころが
いたみにあえいでも
あなたえとのばしたりょおてお
おろせないまま

なみかぜにさらわれて
しずかにすなとかえる
おもかげわとおくきえ
のこるのわきおくだけ

あかく うかんで なみまお
そめあげていくのーわ
いみのない あなたの あと

かすれていく きおくのいろ
にぎりしめたてで ふるえるねつ
みすてられてくちていくせかいで
ことばわまた かぜにきえる
あすのゆくえもしらず

さけびつづけているの
あなたにあいたくて
ひびわれたむねから
こぼれるままに

つきはなしたせかいが
わたしおわすれても
わたしわひとりここにいるわ
いつまでも

さけびつづけているの
あなたにふれたくて
ひびわれたむねから
あふれるいのり

ひきさかれたこころが
いたみにあえいでも
あなたへとのばしたりょおてお
おろしわしない