赤色三角の標識の下

蹲る雀を 爪先でつつく

鳴く 鳴かない

きみはしゃがみこんで

一人でさけんだんだ

そのまま そのまま

通り過ぎることが出来たなら泣くこともなかったさ

鳴かなかった

涙は出なかった

ばらまいた言葉は風に砕かれ青い空に消えてしまって

声を失う

喉に当てた手は凍傷して、僅かにも動かない

そのまま そのまま

寒さも暑さもどうでもよくて

雀が飛んでいた空が少しだけ羨ましかっただけさ

ただそれだけのこと

ただそれだけのこと

ぼくは標識の下

赤色三角に縛られる

戻らない 戻らない

線路の向こう 進んで進んで小石を蹴って

裂くように喚くように嘆くように

そのまま そのまま

「さようなら」

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

はろー、色褪せた君へ。どうぞ。

ありがとう。おやすみ。春になるまで。

閲覧数:72

投稿日:2011/01/27 00:18:52

文字数:326文字

カテゴリ:その他

クリップボードにコピーしました