私の息が、あなたをよごす。
眼球に張り付く光景。
要らないものが、あなたをよごす。
歪んでいく、私の視界。

指は動かず、何も掴めず、
あなたはまた、ここから消えていく。

お願いだから、もう行かないで。
私のことばを聴いて。
お願いだから、もう行かないで。
もう会えなくてもいいから。


私は今も、あなたを恋うる。
眼球にこびりつく姿。
要らないものは、あなたを縛る。
歪んでいる、私のしたい。

喉は動かず、何も発せず。
あなたはまだ、私を見ていない。

お願いだから、もう立たないで。
私のこころを聞いて。
お願いだから、もう立たないで。
もう会えなくていいから、なんて

お願い。ここまできてよ。
私のからだに、触れて。
お願いだから、辿りついてよ。
もう会えないなんて、そんな

ようやく動くようになった指は
もう意味を持たない
触れたいもののない　朝



≪読み、など≫

【A】
わたしのいきが　あなたをよごす
がんきゅうに　はりつくこうけい
いらないものが　あなたをよごす
ゆがんでいく　わたしのしかい

【B】
ゆびはうごかず　なにもつかめず
あなたはまた　ここからきえてく

【サビ】
おねがいだから　もういかないで
わたしのことばを　きいて
おねがいだから　もういかないで
もうあえなくても　いいから


【A】
わたしはいまも　あなたをこうる
がんきゅうに　こびりつくすがた　
いらないものは　あなたをしばる
ゆがんでいる　わたしのしたい

【B】
のどはうごかず　なにもはっせず
あなたはまだ　わたしをみてない

【サビ】
おねがいだから　もうたたないで
わたしのこころを　きいて
もうあえなくても　いいから

なんておねがい　ここまできてよ
わたしのからだに　ふれて
おねがいだから　たどりついてよ
もうあえないなんて　そんな

【C】
ようやく　うごくようになった　ゆびは
もういみを　もたない
ふれたいものがない　あさ