「マスターどこですか?」

靴音がだんだんと近付いて来る。
そして遠くなった。

(ふぅ…)

有紗は壁に体を預ける。
体から力が抜けて上手く立てないのだ。

「どうしていきなり…」

今まで何度かあったが今回のはかなり酷い。

『いつか暴走するぞ』

いつの日か梓に言われた一言を思い出す。

「なんとかして元に戻さないと…」

梓は毎日のように言っていた。
病んでるボーカロイドは何かのきっかけで殺戮型に変わってしまうと。
原因は不明らしいけど。

「マスター見つけた」
「!?」

急に聞こえる帯人の声。
吐息が耳をくすぐる。

「帯…人?」

有紗はゆっくりと後ろを見る。

後ろには瞳がいつも以上に紅く染まっている帯人が居た。

「きゃ…」

強く抱き締められて思わず悲鳴をあげる。

「どうして俺から逃げるんですか?」
「どうしてって…」
「マスターは俺のモノでしょ?」
「何言って…」
「違うだなんて言わせませんから」
「んう!!?」

目つきが変わったと思ったら乱暴にキスされた。

「俺ナシじゃ生きれない体にしてあげますよ」




「!!!!!!」

有紗は勢い良く起き上がる。

「ゆ…夢???」

有紗は深い深いため息をつく。

「あず兄が変な事いうから…」
「人のせいにするとは関心しないな」
「あ…あず兄!?」
「おはよーさん。随分と早いお目覚めだな」
「別に…」
「どうせイヤラシイ夢でも見たんだろ?」
「違うし!!」

ニヤリと笑う梓を見て有紗はキッと睨む。

「有紗さんはマスターの実験台になってしまったのですね」

ミクがひょこっと現れる。

「…あず兄、どういう事か説明してもらえる???」

有紗はニッコリと笑いながら梓に近付く。

「うお!?」

ネクタイを強く引っ張りキスをする。

「…なるほどね」
「お前…!!!」
「いつか倍返しにしてあげるから楽しみにしててね♪」


それから数日後、梓は皆の笑いものになったとかならなかったとか…。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

番外編__夢落ち

今回の話の内容を簡潔に言うと
梓お手製「未来書き換え薬」が入ったココアを飲んでしまった有紗は梓が考えたシナリオの夢を見た。
ですw

どんな薬かというと、簡単に言うと睡眠薬です←
でも不思議な事に、飲んでしまった相手の耳元で見て欲しい夢の内容を言うと相手は見てしまう。

どんな感じに仕上がったのか有紗で試したって感じですwww


ちなみに有紗はキスすると相手の考えている事とかを読み取れる素晴らしい能力を持ってますwww
後付とか、そんなんじゃないんだからn((←

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投稿日:2010/12/24 01:21:20

文字数:842文字

カテゴリ:小説

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