少年は状況を考えてみると──なんで自分が23歳にもなる大人の保護者にならないといけないんだ──と冷静な気を散らし、取り止めのない気持ちになった。ただ、黒毛混じりの青き髪をした青年の言うこともわかる。
 昨日まで孤独だったこの青年は、対峙した初対面の段階で“奇妙な姿勢”をし、人間讃歌は「勇気」の讃歌ッ!! と戦うことへの恐怖に勝とうとしていた。フーガがいくらマモノでも、困難に立ち向かう勇気が無くてはノミと同類なのだ。

「いやこのヒト。ポージングできるなら、ひとりで夜会にいけよ!!」

「ボーイ…君が傍に立っていてくれたら…どれだけ心強いか……。ほんとうに助かるよ」

 そう呟いたフーガの表情に、煌びやかな笑みがこぼれていた。ひと安心した…と言わんばかりに顔が自然とはにかんでいる。

「僕、あなたの幽波紋(スタンド)じゃないッスから。背後から傍に立たないッスから」

「プロジェクトセカイ!! ちょっと待て!」

 仲間との会話の最中、カリスマ騎士から時を止めてしまう……? そのような謎の呪文(コトバ)が部屋中に響きわたる。

「少年、君はまだ未成年だ。騎士たちの夜会は酒が絡む社交場。だから君は、騎士フーガの給仕係として傍に立つんだ」

「それっ、ボーイの仕事じゃないッスか!?」

 今回、受けるクエストの考えが纏まりだしてきだした。メンバー各人、職業に応じてポジションが変わってくる内容となっている。

「では、バンダナツインテのリーダーよ。まず、魔術師の2人はお城の警備兼雑用をしてもらう」

「はい、私とリンちゃんが警備と雑用ですね」

「それで剣士の2人は、昼は城の警備、夜は騎士の仕事だ。なお、姫さま誕生日パーティーの夜会へ参加する日については、朝は遅く起きて構わない。騎士たちの夜は長いからな」

「わかりました。私たち、このクエストを受けます」

「契約成立だ。このローランドと共にイルヴァルスの秩序を護れ! 旅人たちよ」


◎QUEST START◎
英雄の騎士が集いしフォレスタ・キングダムの近衛兵として仕事をこなせ

「では、4人ともこのローランドに名を申せ」

「私はミク・F・ヴェールです」

「あたしはリン・S・ソレイユ」

「僕はレン・S・ソレイユと言います」

「フーガ・バーンシュタインです……」

 メンバーはそれぞれ、依頼主に名前を告げていく。臨時ではあるが、ローランドの部下になるため名を知っておきたいからだ。

「では、バンダナツインテはフジタと呼ぼう。ソレイユは姉・弟で分ける。フーガは騎士をつけよう」

「わかりました。よろしくお願いします、ローランド団長さん」

 こうしてミクたちは、フォレスタ・キングダムでのクエストが始まるのだ。仲間と協力しあってお城の警備をするが、いったい何が始まるのか? それはまだわからない。

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次話
https://piapro.jp/t/48w-

お城で警備する兵士の裏方仕事
それについては、ある意味リアルにします

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投稿日:2020/01/23 20:27:05

文字数:1,192文字

カテゴリ:小説

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