月に焼けた恋模様 隠す雲の影
恋に落ちた白妙の 焦がれるは黒き揚羽蝶
焦がれるには遠く 終には早く
砂時計を返す間もなく 散る運命と
灯火のように揺らぐこの身を 密やかに紡いでいて
祈る指は誰に繋がるの 幾千の夜を眠る君の元へ
醜い跡だと笑う無慈悲なその手は
引き攣れた火傷模様を 切り裂いては針で留めた
一秒を刻むごと 崩れ落ちる
脱いで捨てたのは無価値なエフェメラの羽根
蝶に似た夜の次の朝にはもう会えぬのだと ならば
蛹のように穏やかな眠りを僕に どうか僕に
愛した 尽きる程に愛した 醜いエフェメラの羽根
暖かな命の故郷へと先に逝こう さよなら、土に還る
月に焼けた羽根模様 消えた雲の影
恋に落ちた白妙の、
つきにやけたこいもよう かくすくものかげ
こいにおちたしろたえの こがれるはくろきあげはちょう
こがれるにはとおく ついにははやく
すなどけいをかえすまもなく ちるさだめと
ともしびのようにゆらぐこのみを ひそやかにつむいでいて
いのるゆびはだれにつながるの いくせんのよをねむるきみのもとへ
みにくいあとだとわらうむじひなそのては
ひきつれたやけどもようを きりさいてははりでとめた
いちびょうをきざむごと くずれおちる
ぬいですてたのはむかちなえふぇめらのはね
ちょうににたよのつぎのあさにはもうあえぬのだと ならば
さなぎのようにおだやかなねむりをぼくに どうかぼくに
あいした つきるほどにあいした みにくいえふぇめらのはね
あたたかないのちのふるさとへとさきにいこう さよなら、つちにかえる
つきにやけたはねもよう きえたくものかげ
こいにおちたしろたえの、
エフェメラの羽根
http://piapro.jp/t/N-dC
Keiji Imamura Blackさんの作品に応募させていただきました。
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