冬の空に、さびしげに浮かんだ三日月が、雲で隠れた。
つめたい雲は空を覆い、静かに雪をおとしてゆく。
ここは、ある地方都市。小さくても、人口だけはそこそこ多く、このあたりではだいぶ都会に近い。
クリスマスが近いのだろうか、街は赤と緑のイルミネーションが輝き、ショーウインドーには子供の喜ぶようなおもちゃがところせましとならんでいる。
そんな、あたたかい街並みを、静かに見下ろす緑色のつめたい瞳がふたつ。
落ちてくる粉雪も、あたたかいざわめきも、その瞳のもちぬし―ひときわ高いビルの、避雷針の先に立っている奇妙な少女には届かない。
―なぜ、高層ビルの屋上、さらに2メートルはある避雷針の上に、十四、五歳ほどの女の子が立っている?
それどころか、その子はとてもふつうの女の子には見えなかった。
透き通る真っ白の肌。緑の瞳に金髪。口からは…人間のものとは思えないほど鋭い犬歯が、チロリと覗いている。表情は、ない。
さらにめずらしいのは、彼女の着ているものだ。
膨らんだ袖と短いズボンは赤のギンガムチェック、黒い襟は巨大、こちらも黒いスカートは見たこともない形、なによりありとあらゆるところが白いフリルにおおわれている。頭とブーツと手袋にも黒いリボン。白いフリル。
そして…手にはギラリと冷たく光る三日月型の刃。
先ほどの少女が見下ろしていた街。とある住宅地の端にある、大きな赤い屋根の家。
その家の二階の窓に、人影が映る。
色素が薄いのかあまり外に出ないのかそのどちらもなのか、白い肌、色が薄くて見ようによっては金色のような髪に深緑の瞳。髪のほうは長めにのばし後ろでしばっている。
そしてその少年は、車椅子に乗っていた。
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