僕はひそかに、ミクをクリオネタリアと名付けた。
どこか掠れたような、でも僕らよりずっと高くて可愛い声が、色んなひとたちの鼓膜を揺らして脳に入り込む。ミクの声はどこか透明で色鮮やかで、混濁している。
それは勿論ミクを使う人にもよるのかもしれないけど、多分ミク自身がなにか、色んな可能性を秘めているのだ。ただし可能性、というのはあくまで良い言い方をするなら、の場合で本当は多分、もっとなにか―悪意や色んなものを内包した不安定の危ないもの、危険性というのが相応しい気がする。ミクは可能性を秘めすぎて、それをいっぱい体に声に詰め込んで歌うから、あんな風に歌えるのだと思う。きっとそうなるようにとミクを作った人も、作られた自身もそういう願いを無意識に自覚しているのだと思う。
可憐で、危険で、幼くてしっかりものの、そんなミクが望まれて生まれていくのだ。僕はその可能性が―危険性、が怖いと思う。
無限の可能性は無限の狂気と同じだ。
とても可愛い、けどとても恐ろしい。
僕はミクの声を聞くたびに、海のとても綺麗な海の、その底を泳ぐクリオネを描く。
氷の妖精と謳われるその天使の、
他の生き物に貪欲に喰らいつくその姿を―。
僕はいつか、
みんなミクに喰らいつくされるんじゃないかと、彼女の笑顔をみるたび震える。
(ひっそりと、悪意は進行する)
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