水素色の手紙

作詞：八白
作曲・編曲：でっち
使用VOCALOID：初音ミクV3

木漏れ日の加速度から
青空の答えだけを導いて
いつか、届けばいい
大気にとけたこの手紙と


若草色をした果実には
解けない秘密があると
歪んだふしにくちづけしては
囁き返していた
エーテルの青を空に透かして
雲をひとつだけ消して
もしそれが魔法だと言うなら
僕は困ってしまうよ

透明な腕時計は
透明な時を刻む
残酷と思えるくらい
正しすぎる時間を

移り気な残像には
あるいは牡蠣でいっぱいの海から
いつか死を迎えて
終わらないものがあると
朝焼けの影法師を
ずっとずっと追い掛け続けている
青い楽園には
辿り着けそうもないけれど


夢のような予感ばかりから
地続きの現実へと
汽笛は夕凪を切り裂いて
線路は続いている

消えそうな夢の記憶
消えそうな僕の記憶
いつか失ってしまうなら
今がいいと願った

木漏れ日の加速度から
青空の答えだけを導いて
いつか、届けばいい
空に放した誓いを
忘れぬよう時を刻む
残酷なほど正しすぎる時計
いつか、響けばいい
大気にとけたこの手紙と


木漏れ日の加速度から
生まれ落ちた若草色の果実
解けない秘密には
言葉が隠れていると
朝焼けの影法師を
ずっとずっとずっと追い掛け続けている
青い楽園には
辿り着けそうもないけれど