平穏王国物語

（Ａ）
記憶の隅の　狂う秒針
脆くて儚い英雄譚
縛り咎める　役人たちの
片手に見えるは金の束

（Ｂ）
崩れかけた　城の主は
玉座に腰掛け呟いた

（Ｓ）
古びた伝説は　民が消えるように
掲げた平等はおとぎ話
錆びれた空の色　歪み腐蝕していく
咎めた真実は空想倫理

（Ａ）
無実の共有　愚かな末路
人生彩る裏社会
汚れ塗れの　家庭の汚水
不浄の叫びは届かない

（Ｂ）
乱れだした　民の頭は
安息求めて弾け飛ぶ

（Ｓ）
慌てる兵隊は　魔女を殺すように
定めた照準は狂おしく
湧き出す欲の虫　狂いのたうちまわる
呆れた口実は心情権利

（Ｃ）
乱射する大砲　空を割る願い
極彩色の夢は王国を救えない

（Ｓ）
狂喜の兵隊は　魔女を殺すように
定めた照準は咎めずに
錆びれた空の色　歪み腐蝕していく
咎めた真実は絶望倫理