永音 BPM150 6/8拍子
‣music / Illust / animation / vocal ：小夜セレネ

想い出を 抱き締めて 噛み締める ように
咀嚼して 飲み込んで 吐き出して 繰り返す

筆の先が触れた色水は
こんなに綺麗だったはずなのに
また捨てないといけなくなっちゃった
また笑わなきゃいけなくなっちゃった

水筆でなぞった輪郭で溶け合うの
星の降る傘の下
漂う鼓動を聴き逃さないで


誰の為 鳴らす訳 でもない この音が
こびりつき 取れなくて 苦しくて 立ち尽くす
棘の先が触れた心臓は
こんなに綺麗だったはずなのに
また捨てないといけなくなっちゃった
また歌わなきゃいけなくなっちゃった

借り物の光も届かない水底で
噛み殺した言葉が
漂う身体に染み渡って痛む


音が濁ったのは一番側に居たから
ふやけた果実の味しか知らないままの声で
すっかり透明になった体温で
それでも揺さぶる旋律が木霊する
言葉の墓場で賛美歌を

水筆でなぞった輪郭が滲んでく
雨の降る頬の下
漂う鼓動(こころ)を聴き逃してよ
借り物の言葉じゃ響かない僕だから
目も当てられない嗚咽を
耳も塞ぎたくなるような音に乗せて

永遠なんて。笑った僕が祈った

永音を
嘲笑を
激動を
冒涜を
惨劇を
軽蔑を
懲罰を
代償を
轟音を
低音を
証明を
境界を
懇願を
展望を
迎合を
抵抗を
惜別を
静寂を
後悔を
定肯を
号哭を
激動を
衝動を
終焉を
追悼を
永音を
永音を
永音を