肝心なことはいつだって遠回りしなきゃ言えなくて、素直になるには糖分が足りない。
一人で歩くのには慣れているのに、君が隣りにいると真っ直ぐ歩けない。
君の方に寄ってしまうの。
磁石みたい、笑って言うからこっちまでおかしくなってしまう。
二人でいることに慣れて、優しくすることにもされることにも慣れて、そしたらなにが残るのかな。
傷つけることが怖くて、傷つけられることも怖くて、二人の間が踏み込めないものになってしまったら、そしたらなにも残らないのかな。
いつからだろう。
ぎこちなく笑う君に、ただ同じように笑い返すことしか出来なくなったのは。
なぜだろう。
一人で歩いた方が二人で歩くときよりも息がしやすいのは。
どうしてだろう。
泣きたくなんてないのに拭っても拭っても枯れ果てない涙は。
いくら考えても考えても答えなんて見つからなくて、また一人虚空を見つめる。
世界が終わるときは君といたい。
そんな幼い願いは吐く息のようにただ融けて、そのまま。
次がもし存在するなら、その時は君が吐いた息ごと君を愛せるような、そんな自分でありますように。
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