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一瞬のうちに君が陰ってしまったようで、手繰り寄せるみたいに抱きしめた。
君が泣きそうに笑った意味が、今なら分かる気がするよ。
淋しそうな爪先が愛しくて、小さな手のひらを掴んでいたくて。
すべてが君との色褪せない日々でいっぱいで、だからこそ息が出来ない。
息の仕方が、分からない。
君が泣きそうに笑うた...良かった、と思える日が
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肝心なことはいつだって遠回りしなきゃ言えなくて、素直になるには糖分が足りない。
一人で歩くのには慣れているのに、君が隣りにいると真っ直ぐ歩けない。
君の方に寄ってしまうの。
磁石みたい、笑って言うからこっちまでおかしくなってしまう。
二人でいることに慣れて、優しくすることにもされることにも慣れて、そ...終焉に再会
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散らばった雲みたいにあたしの心も散り散りになって、ぐさぐさに刺さって抉られていくみたい。
骨と皮だけで出来てるっていうけど、なんだ違うじゃない。
心が痛い。
姿も形も見えない部分から血があふれて、次々あふれて、痛い。
弱いあたしを見つけないで。
いつだって立ち向かえないあたしを笑わないで。
必死にも...迷い人
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白く柔らかく空から降ってくるなにか。
初めて見たそれが一体何なのか気になって、少し怖かったけれどゆっくりと手を差し出す。
そっと、音もなく消えてしまったそれに首を傾げながらまた空を見る。
これは、なに?
無数の命のような。
違う。
誰かの涙のような。
やっぱり違う。
でも知っている、そんな気がした。...いずれ消えゆく歌
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あんなに強く抱いていたはずの温もりは、いつの間にあんな遠くに消えてしまったんだろう。
思い出すたびに「分からない」と心が自分を守って、それでも襲いくる自分の情けなさに叫びだして、なにもかもから逃げたくなる。
大事にすることが難しいなんて知らなかった。
愛しさを持て余すことしか出来ない自分はいかに子ど...これで、おしまい、さ