※自己解釈です。自己解釈が苦手な人はご注意ください。




~君の体温 小説~




もしも、君にもう一度触れられるとしたら?

なんて、出来ない嘘を口にする。

なんて悲しい嘘なんだろう。

君の手は冷たいままなのに――…





君と出会ったのは1年前の冬ですね。

君を人混みの中で見かけて時、俺の心臓が大きく動きました。

まるで、全部同じ色のものを見ているのに…

一つだけ、違う色をしている。

それが「君」です。



それが君との出会いだったのを覚えています。

俺はどうしても君と仲良くなりたくて

友人に「この子を知らないか?」なんて、写真を見せて聞いたほどでした。

友人が少し悩むと…

「この子、俺らの大学の一個年下の子じゃないのか?」

ひらめいたように俺に言ってきました。



俺はその後、すぐに君を探しました。

先生に聞くと

「心理学部の子だね。なんだ?何かようでもあるのか?」

俺は多分、先生にそう言われた瞬間…なぜか、笑みがこぼれて

「ありがとうございます!」

とお礼をした覚えがあります。


多分、君を待ち伏せしていていきなり

「好きです」

何て、言った俺の事をびっくりして見る君の顔は本当に可愛かったです




それから、君と付き合い始めましたね。







あの時は本当に嬉しかったです。






覚えていますか?

何回もデートしましたね。




そして、付き合って一年過ぎたころでしょうか…?





「今日はどこ行こうか。」

「そうですねー。うーん…」

そう言った瞬間、君はなぜか立ち止まりました。

「…?」

「あれ…」

君が指を指す方向にあるのは、小さな女の子がボールを追いかけている光景。

「まって~」

そして、ボールは道路の方にいってしまい…

それを追いかけてきた、女の子が道路に出た瞬間。

トラックが…

「ッッ!!」

君はいきなり走り出して、その女の子の方に向かいましたね。

「おい!?…ッ!!」


キキキキキィイィイイイイィィイイイイイ―――――…









思い出しましたか?

君は、あの時トラックに轢かれたんですよ。

ピッ…ピッ…ピッ…

俺が今いる場所は病院です。

目の前に君が寝ています。





意識不明中の「君」が…





君が守った女の子はすごく元気ですよ。





あの時、俺がちゃんと君の頭をきちんと守ってあげればよかったですね。

…本当にごめんなさい。

それと、君に言ってないですね…


実は、あの時…俺は…










死にました。







こうして、今は君の隣にいる俺なのですが

君に触れることはできません。

意識が戻ったとしても、声をかけても返ってきません。

「ごめんね」とも言えません。




俺はすごい情けないですね…






たまに、街を歩いたときに君の事を思い出します。

君と話したな。

君と手を握ったな。

君と笑ったな。

デートしたなぁ…





でも、心に引っかかるのは…

君を守れなかったこと。



「もしも」

君ともう一回…話せたなら?

君と一緒にもう一回デートできたら?

…もう一回…笑えたら?




未来は変わらないのに…ついつい、口にしてしまう。

夢のような「嘘」





…君が意識不明になってから

冬が明けて

春が過ぎ

夏が暮れ

秋がやってきました。



…もう一回…もう一回だけ聞きたいことがあります。





「君は僕と出会えて…幸せでしたか?」

俺は最高に幸せでした。




寂しい夜も君が寝続けている朝も…

俺はずっと君の事を待ち続けていました。



でも…


もう、俺には「限界」が来てしまったようです。



いつまでも、いつまでも…

君と笑っていたかった。



でも。ごめんなさい。



俺に最高に幸せの日々をありがとうございました。




「さようなら」






「大好きだった、君――…」






そう呟いて、少年の体は花のような結晶で溢れ…


消え去っていった。




ピッ…ピッ…ピピピッ――――…



回復してきた、腎臓に反応した心電図が病室を鳴り響いた…

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【初音ミク】君の体温自己解釈小説【ののぱか】

初音ミクが歌っている、クワガタP作詞、作曲の君の体温を小説にさせてもらいました。自己解釈にご注意ください。

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投稿日:2012/06/16 19:04:05

文字数:1,791文字

カテゴリ:小説

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