テラス席座り
重ね合うふたりの景色は
セピア色の紅茶と冷めだしてゆく
つぐんだ言い訳さえ
分け合うイヤフォンみたいに
そっと仕舞った

帰りに咲く星
あの夜に指さき繋いだ
毛糸端の星座に良く似てるから
ほんの少し笑えた
君も見てるといいななんて
考えては視界滲んだ

手繰(たぐ)り寄せてもきっと会えず
星空にひとり遊歩道はぐれてく

あとふたつ角を
曲がる先レンガ色屋根は
ひとりきりの夜には痛くて寒い
こぼれ落ちる本音は
微弱なサイフォンみたいだ
鼻を啜った

今夜も咲く星
あの時にふたりを紡いだ
毛糸端の星座と似てるから、また
ほんの少し笑って
君も見てるといいななんて
考えてもわからないけど

手繰(たぐ)り寄せてももう会えない
ため息にひとつ箒星とらえたら
大きく息を

胸に詰めて
明け方の駅発車ベル
追い風にして駆けだしてこう

君に会えたこと本当に幸せだよ
「どうも、ありがとうね」