#5 思い出のカケラ
______
クラスメイトA「てかさ、ミクと片城君って付き合ってるの?どうなの?」
唐突な質問に驚き喉を詰まらせるミク。
ミク「そ、そんなわけないよ!!確かに仲良くみえるかもしれないけど友達だからであって…ゴニョゴニョ」
クラスメイトA「ふーん… 怪しい」
クラスメイトB「一つ屋根の下で暮らしていてまだ[友達]なんだ…」
クラスメイトC「片城君はどう思ってるのかな?ちょっと聞いてみようよ」
ミク「ちょ、待ってよ!気まずくなるだけだから~!!」
…
カナタ「は?無いだろ」
思った以上に即答された。
クラスメイトC「え、ひどーいw」
カナタ「よく考えてみろよ、ミクは将来大物アイドルになる人だ。恋愛とかしてたらアイドル続けられない事くらい分かってやれよ。俺はどこにでもいるミクというアイドルのファン、それだけだ」
ミク「カナタ…」
小さい頃の記憶のカケラが蘇る。
ミク「懐かしいなぁ…」
___記憶はそこで途切れていた___
バッ!!
目が覚めた。いつの間にかカナタが居なくなってて寒かった。
ミク「…?」
外で会話が少し聞こえる。急いで着替えて外に出てみた。
メロピィ「あれ?不発…?」
どうやらメロピィとカナタがカードを使ってるようだ。
カナタ「そもそも俺のステータス的に歌唱力は0なんじゃないのか?音符の具現どころかゴマの一粒も出てこないぞ」
メロピィ「そんなイメージ!?いや、戦えるのは限られた数しか居ないけど歌唱力は人間それぞれ少しづつ与えられてるはずだよ?このカードに照らせば少しは光るくらいは出るはずだけど…」
カナタ「そんなもん期待するなよ…」
ミク「カナタ!!もしかして私の荷物の中覗いたの!?」
カナタ「小さい方の荷物にはすぐ取り出せる物しか入れてないだろ?衣類とか入ってそうな荷物は見てないから安心しろ」
ミク「…本当でしょうね?」
カナタ「本当だ。手荷物の方に野菜ジュースばっかり入ってて呆れたが」
痛い所を突いてきた。
ミク「だって!!八百屋のおじちゃお礼って言って沢山くれたんだもん!!」
カナタ「まあマジカルアイテムとして機能するらしいな。まあいい、単刀直入に言うが…」
ミク「…え!?」
カナタ「さっきカードに共鳴させてみてハッキリした。歌唱力の存在しない俺はお前の足を引っ張るだけの存在、本当に世界を救いたいなら切り捨てるべきだ。それで別れても文句は言わん」
ミク「そんな事無いよ!!だってあのカボチャに攻撃されそうになった時、マジカルアイテムで攻撃出来たじゃん!!」
カナタ「あれか?ちょいメロピィに協力してもらったんだ」
メロピィ「僕はミクの戦闘中、ミクの声を取り込んでいたんだ。それをプロデューサーから受け取ったって言ってたマイクに通して敵にぶつけたんだ。あれはカナタの声じゃなくて、紛れもなくミクの声だよ」
ミク「って、私の声を取り込んだ!?メロピィ、どうやったの?」
メロピィ「僕は元々音符の付喪神なんだ、色んな事が出来るよ♪」
少し自慢げなメロピィだが、それどころじゃない。
ミク「でも、歌唱力が0って何かおかしいよ!!この世界には常識は通じないかもだけど、私は何か仕掛けがあるとしか思えない!その謎が解けるまでは一緒に居ようよ、約束したじゃない!!」
カナタ「…本当に優しい子になったな、ミクは」
説得は出来たけど、正直アテは無い。彗星には謎が多すぎる…
ミク「わーい、着いた~♪」
カナタ「すっかり元気になっちゃって…」
私達はユーテルダム教会があるという[[rb:大馬狩 > おおばかり]]街に着いた。色んなアイドルのポスターが貼られている。その中に私達のポスターもあるのを見ると、少し鼻が高い。
カナタ「ユーテルダム教会の情報を探そう。なんか諸事情で正体を隠してるらしいから時間かかるかもな」
ミク「そうだね、まずは聞き込みかな?」
会話している内に、なんか人が増えてきた。と言うか、私達の所に集まってる…?
ザワザワ...
ザワザワ...
(あれって…)
(ミクちゃんだ!!しかも誰かと一緒にいるよ?)
(あの人…確か天才ミュージッククリエイターの卵って言われてる、片城カナタって人だよ!!)
(ここに来たって事は、噂に聴く[調律員]としてこの街の音を戻しに来たの…!?)
道行く人達の声が聞こえてくる。
カナタ「ミク、どうやら俺達も姿を隠す必要があるかもな」
ミク「え?隠す必要ある?聞き込みするんじゃないの?こーいう時は…」
カナタ「…?」
持って来てたマイクを取り出す。本来マジカルアイテムとして使う予定だったが…
ミク「「「皆さん、こんにちは!!調律員として旅を始めた、アイドル新参の初音ミクです!!皆さんに協力してほしい事があります、聞いて下さい!!!」」」
すると、群がってた群衆のテンションが一気に上がった。路上ライブでも出来そうだ。
カナタ「向こうの教会としてはいい迷惑かも知れないが、これならすぐに目的地に着くかもな」
ミク「「「皆さん、情報提供をお願いしたいです!!お礼に、この街のマジカルノートの処理が終わり次第、新曲でライブしたいと思います!!約束します!!」」」
カナタ「なぬっ」
そうして、情報集めが始まった。あれだけ人が居たのに、ユーテルダム教会の心当たりがあるのは10人くらいだった。
ミク「え!?都市伝説!?」
町民A「そうなんだ。あまり出回ってない地図使って目的地に行こうとしても、何故か違う場所に着いてしまう。最初から教会じゃない違う目的地に向かってるかのように。一般人を寄せ付けない何かカラクリでも使ってるんだろうな」
カナタ「そうですか… その地図とは?」
町民A「この街の外れにある小さな役場で、教会の周りを器用に測量して場所を炙り出した希少な地図だ。目的話しておけば写しくらいは作ってくれるだろうな」
ミク「ありがとうございます!!」
町民A「でも、一部の人は間違える事無く入れるそうだ。君達も歓迎されてる立場なら入れるかもな」
役場で地図の写しを貰うことは出来た。そして、目的地に向かう。
???「…どうします?追い返します?」
???「まだ来るべき時では無いようだね、例の暗示を頼むよ」
カナタ「…む」
ミク「カナタ、どうしたの?」
カナタ「いや、空気が何か変だな…」
マジカルノートで狂ってしまった街の音波の中でも、妙な周波が辺りに通ってるのが分かった。俺以外の人間では出来ない芸当だ。
ミク「カナタ?そっちじゃないでしょ?」
カナタ「あ?ここ一本道だろ」
ミク「え、ここ曲がるんじゃないの?」
カナタ「…まさか!!」
やはり噂通りだった。どこからか俺達に妙な音波を送り込み目的地をぼやかしたのだ。とりあえずミクを起こしてみるか…
『パンッ!!』
ミク「うわあぁ!!どうしたの?」
カナタ「早く行くぞ」
起こし方がこれでいいのか分からないが、強引に腕を引っ張れば嫌でも目は覚めるだろう。ねこだましは1度不意を突くためだ。
そうして、目的地に着いた。扉は空いていたのでそのまま入る。
ミク「すみません、ここで彗星やマジカルノートの研究をしていると聞いて来ました」
すると、階段の上にいた二人組の内背の高い男の方が降りてきた。
???「おやおや。勘が鋭い子が居るとは思ってたが、暗示がよもや効かないとは思いませんでしたよ」
ミク「私達は歓迎されてないかもしれないのかも知れませんが、少しでも情報をいただきたくて…」
すると、もう片方のフードを被った女も降りてきた。
???「クラムレイツ、我々はやはりこの子達を見くびっているようね。もう普通にこの施設使わせてもよいではないのか?」
???「それもそうですねぇ、調律員の戦力増強の為に未熟な者を追い返しても本末転倒。この子達、いや、調律員全般には公開しておきましょうか… では、ご案内します」
と言うと、階段の上の扉を開いて案内を始めた。
コメント0
関連動画0
オススメ作品
「君にありがとう」
もしも君のそばに あと数日しかいられなくて
僕が消えるのなら 何ができるのかを考える
いちばん好きな君の笑顔 僕がいなくなっても守りたい
君の周りの人たちなら きっと幸せに生きてゆけるね
だけどだけど本当は 僕なしじゃいられなくて
泣いて泣いて崩れてく 君を見てみたい気もしている...君にありがとう
揺籠
2人で寝れない夜に
銀河を数えたけど
ある朝あなたの鼓動が
遠くの星に消えたわ
それからこの宇宙は
やけに静かになった
相は変わらずにあなたの
匂いが僕を侵すわ
あぁ、いつまでも
永遠は来ないけど...一番星が消えた 歌詞
あまや玲
いつしか 立ち止まれず
お互いにくっついた双つが眠る日
暈した手が少し生温かくなっていた
一歩ずつ 後へ引っ込む声
こんにちは ひとつ前のキミへ
きっと底知れぬ来世の末
ひょんな出来事を待っているの
覗き込めないし聞こえないし
濃度の高いゆめごこち
飛ぶパルス乃至触れた14...ハロー、フェルミ。
ど~ぱみん
ゆれる街灯 篠突く雨
振れる感情 感覚のテレパス
迷子のふたりはコンタクト
ココロは 恋を知りました
タイトロープ ツギハギの制服
重度のディスコミュニケーション
眼光 赤色にキラキラ
ナニカが起こる胸騒ぎ
エイリアン わたしエイリアン
あなたの心を惑わせる...エイリアンエイリアン(歌詞)
ナユタン星人
意味と夢と命を集めて
作られてしまって身体は
終わった命を蒸し返す機械らしい
【これは彼の昔のお話】
人一人は涙を流して
「また会いたい」と呟いた
ハリボテの街の終末実験は
昨日時点で予想通りグダグダ過ぎて
その時点でもう諦めた方が良いでしょう?
次の二人は 街の隙間で...コノハの世界事情 歌詞
じん
命に嫌われている
「死にたいなんて言うなよ。
諦めないで生きろよ。」
そんな歌が正しいなんて馬鹿げてるよな。
実際自分は死んでもよくて周りが死んだら悲しくて
「それが嫌だから」っていうエゴなんです。
他人が生きてもどうでもよくて
誰かを嫌うこともファッションで
それでも「平和に生きよう」
なんて素敵...命に嫌われている。
kurogaki
クリップボードにコピーしました
ご意見・ご感想