「会いたい、会いたい」のままで
凍えたあの冬のラブソング
手のひらに消えないで お願いさ
涙の温もりのせいで 季節が春に変わるなら
寒いままでいい
ため息も煙る 二月の空
私だけに積もる なごり雪
冬枯れ色した 街路樹には
はじめから愛なんて 芽吹かなかったの?
かじかむ心に触れたカイロ 嬉しくなってギュッと握った
ゆらり揺れるたびに ふたりは熱くなる
それでも次第に冷えた態度 気づかないふりで瞳閉じた
微かな温もりを頼りに...
「好きだよ。大好き」のままで
溶け出すあの冬の愛情
永遠なんてないよ 理解ってたけど
誰かの温もりなんかで 上書きされるぐらいなら
寒いままがいい
近くにいるのに 遠くを見る
横顔の理由も 聞けないまま
あなたのコートと 甘い嘘を
重ね着して見上げた 月は滲んでる
ぴたりと頬を叩く こんなにも熱い雪
あなたと出会う迄は 知らない痛み
「お願いひとりにしないで
私から消えていかないで」
もう愛してもらえないのに 痛いや
頭じゃわかっているけど 身体が心が全てが
あなたを纏う…
春めく陽射しは白々しく
黒ずむ斑雪を溶かせば「さよなら」
二度と愛されることもないのに
二度と報われるはずもないのに
意固地に消え残る私を許して
こんなんだから嫌われる
はじめから愛なんてひとつもないのに
温もり知らせないでよ
このまま
寒いままがいい
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