嘘をつけば　月が嗤う
愛も結えぬ帳闇
縋らせ

なかぬ風　頼らせるだけなのなら
この心糸も染めて翳そう

月を影に　果たせ
刃ごと冴え
足掻く時と　せめて
覚え囀れよ

戒めとは絆
琴弾きの紗名
いろは契り
忘れもせぬ夢と　灯せ

息をつく暇もない弱い腕なら
帳闇を逸らしてやる

時が疼き眠る
宵待ちの河
すべて重ねゆかせ
満ちること澪と

常せ枷を這わせ
散りやまず舞い
褪せぬ禊
朽ちぬ橋の傍に　きっと現せ

流れた泪
咲きそわして花籠に
揺れるは月影
挨は故ない
常せ　いざや

月日はしる疾風
切っ先を染め
巡る夕日　番せ
なかぬ風　決っして

時が疼き明ける
相身ての淵
重ね分ける
痛みと並ぶ誠を

この道が逃れないなら
愛も結える時が来ると信じたい
共枷ひけば　ぬくもりに寄り
闇がひける
帳も霧雨と　花に恵む