Synchro NiGHT -1-
「ユナー!ちょっとこれ見て、凄く綺麗」
明け方の海岸。
リノさんの声がする。
私の先輩、お姉さんみたいな、優しい人。
私、ユナは駆け足で向かう。
リノさんを待たせるわけにはいかないのだ。
「何かあったのですか?」
リノさんの隣に立つと、リボンがぴょこんぴょこん、と揺れた。可愛い。
「こんなところにガラスの小瓶が落ちてる!海の向こうから来たんだね…♪」
ボトルレター、こんなロマンティックなものが流れつくとは、この海岸もなかなかやるじゃないか。
リノさんはボトルを拾うと、鞄にしまった。
「あれ?中身は読まないのですか?」
「うん、今は読まないよ~、とても大切なものみたい」
リノさんはこう、心が読めるようで。
ボトルレターの中身の心も、感じとったのかもしれない。
「そうですか、開ける時になったら、私も見ていいですか?」
「もちろん!」
手を繋いで、海岸を後に。
二人の時間は、本当に幸せだなって思う。
アルカの街の西の地区。
そこに私たちの家はある。
「ただいま~」
今日はもう、みんな出たみたい。
ここで、リンとレン、ミツキ、ルリナと住んでいる。
あとは、私とリノさん。
レイっていう子もいるみたいだけど、私はまだ見たことがない。
探しても見つからないのだ。
「ユナ、開けるよ~!」
「あ、やっと開けられるのですね、今行きますー!」
学校の時間は、まだ間に合いそうね。
私に宿る未来予知の能力が、何故か危険を告げた。
瓶の中には、『海の向こうのあなたへ』とだけ書かれた手紙が入っていた。
リノさんが心読術で読んだ心は、「焦り、恐れ、『支配』」
「私が見た未来、…アルカの街が廃れた姿です」
そうは言っても、本当に平和なのだ。
私は追われた身だけれど、今まで何もなかった。
この予知は、かなり先のことになるのだろう。
ソファに座ると、時計が見えた。
「あ…」
「リ、リノさん!あの、時間ですよー!!」
「急げ!光速で飛ぶんだ!!」
「!!!???」
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