雨が降れば思い出す。
貴方と私が初めて出会ったあの日のことを…
あの日も強い雨が降っていて、貴方は雨に濡れていた。
俯き、雨に濡れながら歩く貴方は濡れた髪がその美貌に張りついて色気すら放っていて…………
私はそんな貴方に目を奪われた。
今まで出会ったどの人よりも綺麗だった。
我に返り、私はさしていた傘を貴方に貴方に差し出した。
少し戸惑った様子はあったけれど、貴方は私を見て【ありがとう】と微笑んでくれたんだ。
その笑顔は私の中で今も消えずに残ってる。
そして時が過ぎ、私は貴方の隣を歩く様になった。
私の望んだ位置では無かったけれど、貴方の隣にいられるのが何より嬉しかった。
貴方は私に笑い、泣き、怒り、様々な表情を見せてくれるようになった。
私の中で貴方は特別な存在のままであったけれど、隣を歩く貴方にはこの想いを伝えられることができなかった。
伝えてしまったら、今のこの関係まで壊れそうな気がして、伝えられなかったんだ。
誰かが私のこの想いに気付いてしまったのなら、【邪恋】と謗るだろう。
決して叶わない…許されない想いだと私自身頭では分かっている。
けれど止められない。
愉しげに歩く貴方の背中に幾度も手を伸ばし、届く寸前で引っ込める。
この繰り返し。
『もしも…もしも貴方と違う性別であったのなら、違うカタチであなたの隣にいられたかもしれないのに…』
幾度となくそう思い、その度に虚しい思いに囚われた。
【そんなことを考えて何になるか…】と。
ともすれば貴方をかき抱きたくなる衝動を必死に抑え、今日も私は貴方の隣を歩く。
どうか貴方は気付かないで下さい。この人の道にはずれた【想い】など…
いつか…貴方の隣に相応しい人が現れたなら、どんなに辛く悲しくとも笑ってこの場を譲りましょう。
どうか…どうかそれまでは、貴方の隣に居させて下さい。
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Nasty Hide
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すごいいい曲ですね!!!メロがしっかりしてて、一回聞いただけで口ずさんでしまいました!!
作詞家さんは決まったのですか??
出来れば編曲に携わることはできないでしょうか??
2011/06/16 00:10:18