燃えさかるような夕日色に染まった空。
瞳に焼き付くその赤さを,俺たちは見つめていた。
影の伸びる村までの一本道。
「綺麗・・・。」
隣でエリンがそう呟くのを,俺は何処か遠くから聞いているような気がした。
頭の中では,あの娘がぐるぐると廻っている。
今頃,憎む相手を殺したのだろうか。
俺の「力」を使って。
顔も知らないその相手は,殺される間際に何を思ったのだろう。
自分のしたことを悔いた?娘のことを恨んだ?
・・・それとも。
「・・・俺,のこと・・・」
「・・・レンア?」
エリンが不思議そうに俺の顔を覗き込む。
「・・・さっきの子のこと・・・?」
小さな声は,徐々に不安げになっていく。
「・・・あの子が,人を殺しても,それはレンアのせいじゃないよ・・・。」
泣きそうな顔で言うエリンに,俺はぎこちなく微笑んだ。


・・・また。

またこんな顔,させちまった。
もう,2度とこいつにこんな顔させないって・・・,
あの時そう誓ったのに・・・。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

タイトル未定((③

なんか短いなコレ・・・。

閲覧数:81

投稿日:2010/11/07 16:24:06

文字数:424文字

カテゴリ:その他

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